半身萎凋病
糸状菌による病害。バーティシリウム属菌による。地温20~28℃の時期に発生しやすい。発病しても、外見上は明確な症状が無いことが多く、気付きにくい。特に、「バーティシリウム黒点病」は、料理中に初めて気付いて驚かされる。
発生時期
【黄化病・バーティシリウム萎凋病】9~11月
【バーティシリウム黒点病】5~7月・9~10月
【半身萎凋病】4~7月・9~10月
被害箇所
株全体。
主な症状
【黄化病】ハクサイ類が、結球後、外葉から急激に黄色~灰白色に変色し、垂れ下がって、ハボタンのような形になる。葉が扇形に黄色く枯れこむこともある。被害株の茎を切断すると、導管が黒褐色に変色している。
【バーティシリウム萎凋病】下葉から扇形に黄色く枯れこみ、生育が悪くなる。細い葉脈が黒っぽく変色することもある。症状がひどいと、結球野菜が結球しなくなったり、結球しても外葉から黄色く枯れていく。被害株の茎を切断すると、維管束が黒褐色に変色している。
【バーティシリウム黒点病】葉の縦半分だけが黄色くなり、萎れることがある。被害株の茎を切断すると、表皮に近い維管束が黒く変色している。また、根部を切断してみると、表皮の下に黒い輪ができている。
【半身萎凋病】葉脈に区切られた葉の片側半分だけが黄色くなったり、株全体の片側半分だけが黄色くなったりする。症状によっては、外葉が縁から黄色くなり、順番に垂れ下がるだけのこともある。
被害株は、日中に萎れ、朝夕に回復するのを繰り返す。症状がひどいと、地際部分や根まで褐色に腐敗し、枯死する。被害株の茎を切断すると、片側の維管束が淡褐色~黄色に変色している。
対策
被害株は周りの土とともに処分する。
予防策
被害株から子株やタネなどを取らない。連作を避ける。被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。近くに被害株があれば除去する。耐病性品種を栽培する。耐病性の無い品種は、耐病性台木に接ぎ木する。土中のネグサレセンチュウが発病を助長するため、エンバク「ヘイオーツ」を栽培するなどし、密度を抑える。
黄化病の場合は、なるべく晩生種を栽培する。
半身萎凋病では、ニラ・ネギ類を混植する。
【薬剤】【土壌灌注・種苗浸漬】オーソサイド、キャプタン、キャプレート、トップグラスDF、トップジンM、ベンレートなど。
黄化病の場合のみ、ダコソイル、フロンサイド、フロンサイドSCなどを土壌混和する。
主な被害植物
【黄化病】
【ハーブ・野菜】ハクサイなど。
【バーティシリウム萎凋病】
【ハーブ・野菜】キャベツ、レタスなど。
【バーティシリウム黒点病】
【ハーブ・野菜】カブ、ダイコンなど。
【半身萎凋病】
【草花・鉢花】ガーベラ、キキョウ、キク、キンセンカ、コスモス、スイートピー、ストック、ベニバナなど。
【ハーブ・野菜】イチゴ、ウド、エダマメ、オクラ、カブ、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、シロウリ、スイカ、セロリ、トマト、ナス、ニガウリ、ハクサイ、ピーマン、フキ、ホウレンソウ、メロン、ユウガオなど。
【樹木・果樹】バラなど。