こぶ病(さび病菌による)
糸状菌による病害。さび病菌の一種による。この病原菌は、寄主を次々に替える「異種寄生性」である。一度発生するとしつこい。
こぶの正体は、「菌えい(菌によって組織が異常肥大したもの)」である。こぶから出るヤニには、胞子以外に糖分が多く含まれており、なめると甘いという。
なお、細菌性の「こぶ病」は、これとは別の病気である。
発生時期
9~12月
被害箇所
幹、枝など。
主な症状
大小さまざまなこぶが多数できる。こぶの表面はざらつき、亀裂を生じたり、樹皮がはがれることもある。
マツ松類に発生した場合、冬になると、こぶの亀裂からヤニが出る。春~初夏になると、黄色い胞子を噴き出す。ブナ科の樹木が近くにあると発生しやすい。
対策
被害部分を深めに削り取り、薬剤を使用。
【薬剤】【塗布】カケンゲル、カルスメイト、ケアヘルスO、トップジンMペースト、バッチレート、ベフランなど。
【散布】ICボルドー、Zボルドー、クプラビットホルテ、グランサー、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、ドイツボルドーA、バシタック、リゾレックスなど。
【注意点】同一薬剤の連続使用は避ける。
予防策
土の水はけを改善する。株に水をかけない。できれば雨に当てない。通風を改善する。近くに被害株があれば除去する。株元を清潔に保つ。病原菌の中間寄主となるので、下記の被害植物同士を近くで栽培しない。
【薬剤】【散布】上記と同じ。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。
主な被害植物
【樹木・果樹】エンジュ、カシ類、カシワ、クヌギ、クリ、シイ、スギ、ナラ類、マツ類など。