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素人園芸解説 -私はこう育てる-

黒斑病(糸状菌性)

糸状菌による病害。病原菌の種類はさまざま。雨が多いほど多発する。ナシ(特に「二十世紀」)によく発生する。
サツマイモ黒斑病に冒されたイモは有毒となるため、食べないほうがよいらしい。

細菌性の「せん孔細菌病」も「黒斑病」と呼ばれることがあるが、これとは別の病気である。(細菌性の「黒斑病」にかかりやすいのは、アンズ、オウトウ、スモモ、プルーン、モモなど。)
また、貯蔵中のカンキツ類の果実が乾いてくると、表皮に黒い点々が多数できることがあるが、これも「黒斑病」と呼ばれる。

発生時期

周年

被害箇所

葉、茎、枝、花梗、果実など。

主な症状

円形で淡褐色の小斑点ができ、次第に拡大して、円形~不整形で、褐色~黒褐色をした水浸状病斑を形成する。病斑は同心円状で、黒いカビを生じることがある。病斑は、中心が灰色~灰白色で破れやすく、輪郭は紫褐色~黒色。また、病斑の周辺は黄色く変色することが多い。

葉の場合は、下葉など、比較的古い葉に発生しやすく、病斑部分から萎縮・変形する。
果実の場合、幼果では、病斑部分がへこんで全体が奇形化し、亀裂を生じる。熟果では、病斑上に黒いカビを生じる。

対策

被害部分を全て除去し、薬剤を使用。


【薬剤】【散布】ICボルドー、Zボルドー、アグリマイシン20、アグレプト、アミスター10、アミスター20、アルタベール、エムダイファー、園芸ボルドー、オーソサイド、オキシラン、オキシンドー、キノンドー、キャプタン、キャプレート、クプラビットホルテ、グリーンダイセンM、グリーンペンコゼブ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、ジマンダイセン、ストマイ、ストロビー、スペックス、ダコニール1000、ダコレート、ツインサイドDF、ドイツボルドーA、ドウグリン、銅ストマイ、ドーマイシン、トップグラスDF、トップジンM、トリアジン、パスポート、パルノックス、ビスダイセン、ヒトマイシン、プラウ、フロンサイド、フロンサイドSC、ヘリテージ、ペンコゼブ、ベンレート、ポリオキシンAL、ポリオキシンO、ポリキャプタン、ポリベリン、ポルックス、マネージ、マネージM、有機銅、ロブドー、ロブラール、ロブラール500アクアなど。

【注意点】薬害が出るので、ハクサイには銅剤を使用しない。

予防策

通風を改善する。十分な日照を確保する。強風にさらさない。株に水をかけない。連作を避ける。土の水はけを改善する。

キャベツの場合、種子伝染するので、出所不明な怪しいタネをまかない。被害株からタネを取らない。
サツマイモの場合は、挿し穂を採るタネイモを、47~48度の湯に40分ほど浸し、すぐに冷ます。出所不明な怪しいタネイモを使わない。耐病性品種を栽培する。
ナシでは、耐病性品種を栽培する。
ネギでは、被害株からタネを取らない。肥料不足を改善する。


【薬剤】【散布・種苗浸漬・種苗粉衣】上記と同じ。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。

主な被害植物

【草花・鉢花】アイリス類、カスミソウ、キク、ケイトウ、サルビア類、ストック、スミレ、パンジー、ヒマワリ、ヒャクニチソウなど。

【樹木・果樹】アオキ、カンキツ類、ナシ、ニレ類、ヤツデなど。

【ハーブ・野菜】エンドウ、カブ、カリフラワー、キャベツ、ゴボウ、サツマイモ、サトイモ、ダイコン、タマネギ、トマト、ニンジン、ネギ、ハクサイ、ブロッコリーなど。