黒穂病
糸状菌による病害。イネ科の作物に発生する。症状によって、複数の病名がある。
トウモロコシ裸黒穂病の菌えい(胞子の入っているコブ状の組織)は、食用になるらしい。好んで食べる国があるという。
発生時期
6~7月
被害箇所
穂、雌穂、子実など。
主な症状
【堅黒穂病】穂を形成する子実の一粒一粒が、白っぽい皮膜で覆われる。皮膜の中には、黒い胞子が詰まっているのが見える。下記の裸黒穂病に似るが、皮膜が破れることはない。
【なまぐさ黒穂病】子実の一粒一粒が、黒っぽい半透明の皮膜に包まれ、魚の腐ったような生臭い臭いを発する。被害穂は、最初は健全に見えるが、色づかず、長く緑色を保った後に病兆が現れる。
【裸黒穂病】子実の一粒一粒が、黒い粉状物質で覆われた皮膜で覆われ、異様なコブ状となる。症状が進むと皮膜が破れ、黒い胞子が飛び散る。被害穂は、健全な穂より、やや早めに出てくる。
対策
被害部分を全て除去し、薬剤を使用。
【薬剤】【種子粉衣・種子浸漬】クリアパッチDF、トリフミンなど。
予防策
いずれも種子伝染するので、被害株からタネを採らない。
裸黒穂病の場合、タネを冷水に7~10時間浸してから、50℃の湯に2~3分、次いで53~54℃の湯に5分浸した後、もう一度冷水で冷やす。または、46℃の湯に8~10時間浸す(湯は次第に冷めるが、問題無い)と良いらしい
。
【薬剤】【散布】上記と同じ。
主な被害植物
【野菜・ハーブ】サトウキビ、ソルガム、トウモロコシ、ムギ類など。