球根腐敗病/根茎腐敗病
糸状菌による病害。フザリウム属菌やボトリチス属菌による。地温が高いほど発生しやすい。ユリの球根の鱗片の先端が褐色に腐って干からびることがあるが、これも同類の病気である。
発生時期
【球根腐敗病】10~5月
【根茎腐敗病】4~10月
被害箇所
地際部分、球根の発根部、幼芽、葉鞘など。
主な症状
淡褐色~黒褐色の水浸状病斑ができて腐敗し、へこむ。腐敗部分は、しばしば白色~濃緑色のカビを生じる。病斑が乾燥すると、スポンジ状にスカスカとなる。被害株は茎葉が急激に黄化し、地下部は飴色になって、枯死する。被害株の茎や根部を切断すると、維管束が褐色に変色している。貯蔵中の球根に発生する場合もある。
対策
被害株は周りの土とともに処分する。
予防策
連作を避ける。被害株から子球や子株などを取らない。球根・根茎に無用な傷を付けない。土の水はけを改善する。被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。近くに被害株があれば除去する。窒素肥料を控える。有機質肥料を控える。土に未熟な有機物を混ぜない。掘り上げた球根はすぐに乾燥させる。
【薬剤】【土壌灌注・球根浸漬・球根粉衣】オーソサイド、キャプタン、キャプレート、クリアパッチDF、トップグラスDF、トップジンM、トリフミン、プレビクールN、フロンサイド、フロンサイドSC、ベンレート、ホーマイ、ホーマイコート、リドミルなど。
主な被害植物
【球根腐敗病】
【草花・鉢花】チューリップ、フリージアなど。
【根茎腐敗病】
【草花・鉢花】ジャーマンアイリスなど。
【ハーブ・野菜】ショウガ、ミョウガなど。