立枯病
糸状菌による病害。病原菌の種類はさまざまで、ピシウム属菌、フザリウム属菌、ボトリチス属菌、リゾクトニア属菌などがある。
やや余談になるが、アズキ落葉病は、病名こそ「落葉病」だが、これも、立ち枯れる病気である。維管束が褐変する点も同じ。セファロスポリウム属菌による病害で、北海道のアズキの重要病害らしい。土中のキタネグサレセンチュウの密度が高いと発病が促進されるという。
発生時期
4~11月
被害箇所
地際部分、根、枝の分枝部、葉など。
主な症状
黄褐色~黒褐色の病斑ができてへこみ、軟化腐敗する。病斑上には、白色~桃色・橙色などをしたカビが絡みつき、縦方向に亀裂を生じることもある。病斑と健全部の境界は鮮明。被害株は、やがて全体が黄色くなって萎れ、落葉して枯れるが、症状の進行は、比較的緩慢である。被害株の茎を切断すると、維管束が褐色に変色している。
葉の場合、症状がひどいと、褐色~赤褐色の、ややへこんだ病斑が現れ、腐敗することがある。
果実の場合は、接地面から赤褐色になって腐敗する。果実の内部に白いカビが生えることもある。
対策
被害株は周りの土とともに処分する。
予防策
被害株から子株や挿し穂などを取らない。連作を避ける。土の過湿を避ける。土の過度の乾燥を避ける。土の水はけを改善する。近くに被害株があれば除去する。被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。耐病性品種を栽培する。株に水をかけない。地温の上昇を防ぐため、株元をマルチングする。窒素肥料を控える。カリ不足を改善する。有機質肥料を控える。土に未熟な有機物を混ぜない。ネギ類を混植する。通風を改善する。
サツマイモの場合は、土壌酸度がアルカリ性に偏らないようにする。
【薬剤】【散布・土壌灌注・種子粉衣】アグリマイシン20、アグレプト、オーソサイド、オキシンドー、キノンドー、キャプタン、グランサー、クリアパッチDF、ストマイ、セレンターフ、ダコニール1000、タチガレン、ドウグリン、トップグラスDF、トップジンM、トリフミン、バシタック、パスポート、ヒトマイシン、ベンレート、ベンレートT、ホーマイ、ホーマイコート、モンカット、モンセレン、リゾレックスなど。
主な被害植物
【草花・鉢花】アスター、インパチエンス、カーネーション、カスミソウ、キキョウ、キク、クレマチス、ケイトウ、コスモス、シャクヤク、ゼラニウム、チドリソウ、デルフィニウム、トルコキキョウ、ナデシコ類、ニチニチソウ、パンジー、ヒャクニチソウ、フリージア、ホウセンカ、ユリなど。
【ハーブ・野菜】アスパラガス、エダマメ、エンドウ、オカヒジキ、カボチャ、カリフラワー、キャベツ、サツマイモ、ソラマメ、ニンジン、ビート、ホウレンソウ、メロンなど。
【ラン】ウチョウラン、エビネ、カタセタム、カトレア、ファレノプシス、レリアなど。