がんしゅ病(細菌性)/こぶ病(細菌性)
細菌による病害。樹木に多いが、草本にも発生することがある。被害株が近くにあると伝染しやすい。ビワがんしゅ病は「芽枯病」とも称する。
マツ類などに発生する「こぶ病」は、さび病菌によるもので、これとは別の病気である。
発生時期
【がんしゅ病】5~10月
【こぶ病】6~9月
被害箇所
【がんしゅ病】枝、幹など。
【こぶ病】地際部分、幹、枝など。
主な症状
【がんしゅ病】不整形で褐色をした、縦長の病斑ができ、表面がざらざらになる。病斑からヤニが出ることもある。やがて、病斑の樹皮がはがれてへこみ、周囲が盛り上がって、黒褐色のがんしゅ状となる。
ビワに発生した場合、葉の葉脈上や果実にも、円形で黒褐色をした病斑ができてへこみ、周辺が黄色く変色する。被害葉は変形し、被害果は病斑上に亀裂を生じる。
【こぶ病】最初、小さな膨らみができ、次第に大きくなって、褐色~黒褐色をした大小さまざまなコブを形成する。コブの表面は、ざらついており、亀裂を生じることがある。コブが古くなると、内部が腐敗して空洞になり、それより上部が枯れることもある。
挿し木中の挿し穂に発生すると、切り口にこぶができ、発根が妨げられたり、発根後も生育が悪くなったりする。
対策
被害部分を深めに削り取り、薬剤を使用。病状が進行した枝は切除する。
【薬剤】【塗布】カケンゲル、カルスメイト、ケアヘルスO、トップジンMペースト、バッチレート、ベフランなど。
【散布・土壌灌注】ICボルドー、Zボルドー、アグリマイシン20、アグリマイシン100、アグレプト、オキシンドー、カスミンボルドー、カッパーシン、キノンドー、クプラビットホルテ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、ストマイ、ドイツボルドーA、ドウグリン、バクテサイド、ヒトマイシンなど。
予防策
土の水はけを改善する。通風を改善する。幹や根に無用な傷を付けない。株に水をかけない。できれば雨に当てない。近くに被害株があれば除去する。発病部分を削り取った器具は消毒するまで再利用しない。雨で跳ね上がった泥が株に付かないようにする。
こぶ病の場合は、連作を避ける。被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。
【薬剤】【散布・土壌灌注】上記と同じ。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。
主な被害植物
【がんしゅ病】
【樹木・果樹】サクラ、ビワ、ヤナギ類、ヤマモモなど。
【こぶ病】
【草花・鉢花】カスミソウなど。
【樹木・果樹】サクラ、シャリンバイ、フジ、ヤマモモ、レンギョウなど。