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素人園芸解説 -私はこう育てる-

かいよう病

細菌による病害。気温18~25℃(ウメは12~15℃)で、多湿の時期に発生する。風が強いと、植物体に傷が付きやすいため、さらに発生が増える。一度発病するとしつこい。
カンキツ類では最重要病害の一つ。晩生の種類ほど被害にあいやすい。

サツマイモかいよう病は、ここで扱っている「かいよう病」とは別の病気である。これの対処法は、フザリウム属菌による「つる割病」に準じる。

発生時期

【ウメ】2~8月


【カンキツ類】4~11月


【キウイ】2~9月


【チューリップ】10~6月


【トマト】4~8月

被害箇所

【ウメ】葉、枝、果実など。


【カンキツ類】葉、葉柄、緑枝、果実など。


【キウイ】葉、枝、花、つぼみなど。


【チューリップ】葉、茎、花弁など。


【トマト】葉、葉柄、茎、果梗、果実など。

主な症状

【ウメ】赤褐色~黒褐色の小斑点が多数できる。病斑の輪郭は色が濃い。
葉に発生すると、病斑部分が抜け落ち、孔が開く。
枝の場合は、病斑部分が膨らんで表面に亀裂を生じ、それより上部が枯れることがある。
果実では、病斑部分がへこみ、亀裂を生じる。


【カンキツ類】円形~不整形で淡黄色の小斑点が多数できる。病斑は水浸状で、周辺が黄色く変色する。病斑はやがてコルク化し、カサブタ状になる。
葉柄に発生すると、葉が枯れ落ちる。葉に発生した場合も、被害が激しいと落葉する。
果実の場合は、病斑とその周囲に亀裂を生じる。


【キウイ】葉に発生した場合、不整形で褐色~赤褐色の小斑点が多数できる。病斑の周辺は黄色く変色する。病斑部分から萎縮・変形し、破れることもある。
枝の場合は、赤褐色の病斑ができて亀裂を生じ、白色または赤褐色のヤニを出す。
花やつぼみに発生すると、完全に開かないまま腐敗し、結実しない。


【チューリップ】葉や茎に発生すると、灰白色の亀裂を多数生じ、表面がささくれ立つ。
花弁の場合は、膨張・変形したり、灰白色の小斑点を多数生じ、亀裂ができたりする。
球根では、表面に黄褐色の病斑ができる。


【トマト】果実に発生すると、白色~褐色の、カサブタ状小斑点が多数できる。
茎の場合は、表皮下が褐色~黒色に変色し、やがて腐敗して空洞になる。そのため、表皮にシワができる。

対策

被害部分を全て除去し、薬剤を使用。

チューリップやトマトに発生した場合は、被害株は周りの土とともに処分する。


【薬剤】【散布・土壌灌注】ICボルドー、Zボルドー、アグリマイシン20、アグリマイシン100、アグレプト、アタッキン、園芸ボルドー、オキシンドー、カスミン、カスミンボルドー、カッパーシン、キノンドー、クプラビットホルテ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、ストマイ、ドイツボルドーA、ドウグリン、銅ストマイ、ナレート、バクテサイド、バリダシン、ヒトマイシンなど。

予防策

株に無用な傷を付けない。傷を付けたら傷口を早く乾かす。強風にさらさない。できれば雨に当てない。株に水をかけない。雨で跳ね上がった泥が株に付かないようにする。窒素肥料を控える。土の水はけを改善する。連作を避ける。通風を改善する。近くに被害株があれば撤去する。被害株に触れた手や器具で健全株に触れない。

チューリップやトマトに発生した場合は、被害株から子球や子株、タネなどを取らない。種子伝染するので、健全なタネをまく。被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。ネギ類を混植する。


【薬剤】【散布・土壌灌注・球根浸漬】上記と同じ。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。

主な被害植物

【草花・鉢花】チューリップなど。

【樹木・果樹】ウメ、カンキツ類、キウイなど。

【ハーブ・野菜】トマトなど。