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素人園芸解説 -私はこう育てる-

黒腐病

細菌による病害。アブラナ科植物に多い。比較的低温で雨が多いと発生しやすい。「軟腐病」を誘発する。

チューリップの「黒腐病」は、ここで扱っているアブラナ科の黒腐病とは、まったく別の病気である。

なお、貯蔵中のカンキツ類の果実に黒いカビが発生し、内部まで黒く腐ることがあるが、これも「黒腐病」と呼ばれる。これは糸状菌類による病気で、収穫前にトップジンM、ベンレートなどを散布して予防する。

発生時期

3~11月

被害箇所

【アブラナ科】葉の縁、葉柄、茎、つぼみ、根の内部など。


【チューリップ】球根の表面。

主な症状

【アブラナ科】葉の縁に、くさび型で黄白色~灰白色をした水浸状病斑ができ、その部分が薄くなる。やがて、病斑は褐色になり、周辺が黄色く変色する。下葉から発生することが多い。
葉柄や茎、つぼみに発生した場合は、不整形で暗褐色~黒色をした病斑ができてへこむ。症状がひどいと、株全体が枯死する。被害株の茎や根を切断すると、導管が黒く変色している。


【チューリップ】不整形黒褐色をした、ややへこんだ病斑ができ、株全体が腐敗する。病斑の表面はざらつく。貯蔵中に発生することが多い。

対策

発病初期なら被害部分を全て除去し、薬剤を使用。病状が進行した株は周りの土とともに処分する。


【薬剤】【散布・土壌灌注】ICボルドー、Zボルドー、アグリマイシン20、アグリマイシン100、アグレプト、オキシンドー、カスミンボルドー、カッパーシン、キノンドー、クプラビットホルテ、コサイド3000、コサイドDF、コサイドボルドー、サンボルドー、ストマイ、テレオ、ドイツボルドーA、ドウグリン、ナレート、バリダシン、ヒトマイシン、有機銅など。

【注意点】薬害が出るので、チューリップやハクサイには銅剤を使用しない。

予防策

連作を避ける。できれば雨に当てない。多肥を避ける。株に水をかけない。土の水はけを改善する。株に無用な傷を付けない。耐病性品種を栽培する。被害株に用いた土や器具は消毒するまで再利用しない。雨で跳ね上がった泥が株に付かないようにする。被害株から子球やタネを取らない。

アブラナ科植物の場合、種子伝染するので、健全なタネをまく。タネは、まく前に、53℃の湯に10分間浸して消毒する。(その後すぐに冷やす。)
チューリップの場合は、掘り上げた球根はすぐに乾燥させる。


【薬剤】【散布・土壌灌注】上記と同じ。

主な被害植物

【草花・鉢花】ストック、ハボタン、チューリップなど。

【ハーブ・野菜】カブ、カリフラワー、キャベツ、ダイコン、ブロッコリーなど。