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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ファイトプラズマによる病害

ファイトプラズマと呼ばれる微生物による病害。症状によって、複数の病名を持つため、「主な病名」という項目で、一番下に載せた。
症状はウイルス病に似るが、汁液感染や種子感染はしない。治療法は無いものの、まれに自然治癒することがあるらしい。ウイルス病と同様、株に体力があると、感染しても全く症状が出ないことがある。

同じ病名ながら、ハクサイ類の「萎黄病」や、サクラ類の「天ぐ巣病」とは全く別の病気である。

余談だが、アジサイの場合、花弁(正しくはガク片)が、緑色の葉のようになる症状を示すことがあり、そのような症状が出た株を園芸品種として登録している。そのため、株に勢いが出ると、普通のアジサイに戻ったりする。(その後、問題になったようで、現在は流通していないらしい。)

発生時期

3~12月

被害箇所

葉、茎、芽、枝先の生長点など。

主な症状

茎葉が黄化したり、萎縮・奇形化するなどし、花が咲きにくくなる。生長点が褐色になり、生育が停止することもある。症状がひどいと、株全体が黄化・萎縮する。また、天ぐ巣病のように、細い側枝を多数発生させることもある。
天ぐ巣症状が出た場合は、生長点付近から、異常に多くの小枝や細い葉、小さな葉が伸び、ホウキ状になる。被害部分の葉は、黄色く変色していることが多い。

対策

治療不可能。被害株は処分する。処分しない場合は隔離し、世話は一番最後にまわす。


【薬剤】テトラサイクリン系の抗生物質により、一時的に症状を緩和できるが、完治はしないらしい。

予防策

ファイトプラズマを媒介するヨコバイ類(キマダラヒロヨコバイ、ツマグロヨコバイ、ヒメフタテンヒメヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ、ムツテンヨコバイなど)を早期に防除する。株全体を寒冷紗などで多い、ヨコバイ類の飛来を防ぐ。
被害株から子株や挿し穂、穂木などを取らない。接ぎ木の台木にも使わない。周囲の雑草を除去する。近くに被害株があれば除去する。

主な被害植物

【草花・鉢花】アスター、アネモネ、コスモス、シネラリア、スターチス、ゼラニウム、ツワブキ、ニチニチソウ、ポインセチア、ポピー、ホワイトレースフラワー、マーガレット、リンドウなど。

【観葉・多肉】サボテン類、シバ類など。

【樹木・果樹】アジサイ、キリ、クリ、クワ、ナツメ、ホルトノキなど。

【ハーブ・野菜】イネ、サツマイモ、ジャガイモ、シュンギク、セリ、タマネギ、ナス、ニンジン、ホウレンソウ、レタス類、ミツバなど。

【ラン】ウチョウラン、サギソウ、ネジバナなど。

主な病名

萎黄病、萎縮病、黄萎病、黄化病、黄葉病、天ぐ巣病など。