天ぐ巣病
樹種によって発生原因が異なる。糸状菌による場合は、タフリナ属菌などが原因だが、遺伝による場合や、生理現象として発生することもあるらしい。被害枝は「天狗の巣」と呼ばれる。
なお、アスナロなどに発生する天ぐ巣病は、さび病菌の一種による。また、ファイトプラズマによる天ぐ巣病も、ここでいう天ぐ巣病とは別の病気である。
マツ類には、「多芽病(芽状天ぐ巣病)」という病気がある。これは新芽が多数出てホウキ状になり、伸長が止まってしまうものだが、原因は不明。
発生時期
周年
被害箇所
枝、幹など。
主な症状
枝や幹の一部から、異常に多くの小枝や細い葉が伸び、ホウキ状になる。被害枝は、花が咲きにくくなり、葉も、黄色くなったり、萎縮・変形したりする。
サクラの場合、品種ごとに発生率が異なり、「コヒガン」「ソメイヨシノ」に多い。
対策
休眠期に、ホウキ状になった枝を切除する。発病枝は、全て集めて処分する。
【薬剤】【塗布】カケンゲル、カルスメイト、ケアヘルスO、トップジンMペースト、バッチレート、ベフランなど。
予防策
通風を改善する。発病部分を削り取った器具は消毒するまで再利用しない。
【薬剤】【散布】ICボルドー、Zボルドー、コサイドボルドー、サンボルドー、ドイツボルドーAなど。樹木類は、冬季に石灰硫黄合剤を散布。
主な被害植物
【観葉・多肉】タケ類など。
【樹木・果樹】キリ、サクラ、サツキ、シイ、シラカバ、ツツジ類、ツバキ類など。