ホコリダニ類
ホコリダニ科に属する。シクラメンホコリダニはシクラメンやセントポーリアの、チャノホコリダニはガーベラやナスの重要害虫である。
発生時期
4~11月(屋内では周年発生。)
【補足事項】- シクラメンホコリダニ…7~10月
- チャノホコリダニ…4~11月(梅雨明け後、急に被害が増える。)
被害箇所
生長点、葉、芽、果実、つぼみ、花など。
形態など
体長0.2~0.3mm。体色は乳白色~黄褐色で、半透明。体型は卵形で、やや細長い。寒さに弱く、梅雨明け後の高温期に発生が多い。また、暖地ほど被害が大きい。
主な被害
新芽やつぼみ、果実など、細胞分裂の盛んな部分に寄生し、吸汁する。被害部分は、いじけて萎縮・変形したり、裂けたりする。また、油をかけたような光沢が出たり、ケロイド状に引きつれたり、亀裂を生じたり、茶色~黄褐色に変色(「サビ症状」という)して硬くなったりする。
葉の場合、葉縁から内側に巻き込んだり、葉縁だけが枯れることがある。また、花の場合、花弁の色がかすり状に白っぽく抜けたり、薄汚れた感じになったり、黒いしみができたりする。
被害がひどいと、芽や葉が正常に展開しなくなり、生長が止まって、やがて枯死することもある。アザミウマ類の被害と症状が似ているが、こちらは虫の姿が見えない。(アザミウマは肉眼で容易に見える。)
対策
見つけ次第、被害部分を取り除き、薬剤を使用。症状のひどい株は処分する。
被害株の近くにあった株も、すでに寄生されていることが多いので、症状が無くても、薬剤を散布しておく。
【薬剤】【散布】アファーム、アプロード、アプロードエース、イオウ、エンセダン、オサダン、オマイト、カネマイト、クムラス、コロナ、コロマイト、サルファー、サンクリスタル、スターマイト、ダニゲッター、ダニトロン、テデオン、テトラマイト、テルスター、ニッソラン、バロック、マイトサイジンB、マイトダウン、レターデン、ユニフローサルファーなど。
予防策
周辺の雑草を除去する。過湿を避ける。
【補足事項】- シクラメンホコリダニ…大切な植物の近くで、シクラメンやセントポーリアなどを栽培しない。
- チャノホコリダニ…大切な植物の近くで、シクラメンやチャなどを栽培しない。枯れ枝の樹皮の隙間や落ち葉の陰などで越冬するため、剪定・掃除を徹底する。
主な被害植物
【草花・鉢花】アザレア、インパチエンス、ガーベラ、キク、グロキシニア、コスモス、サルビア類、シクラメン、セントポーリア、ダリア、デルフィニウム、ナデシコ類、フクシア、ベゴニア類、ホウセンカ、マリーゴールドなど。
【観葉・多肉】アイビー、コルムネアなど。
【樹木・果樹】アオキ、アジサイ、エクスバリーツツジ類、カンキツ類、キウイ、クリ、クワ、サザンカ、サツキ、サンゴジュ、サンシュユ、サンショウ、シャクナゲ、チャ、ツツジ類、ナシ、ハコネウツギ、ヤツデなど。
【野菜・ハーブ】イチゴ、インゲン、キュウリ、シソ、シュンギク、タマネギ、トウガラシ、トマト、ナス、ネギ類、ピーマン、フダンソウ、モロヘイヤなど。
主な種類
シクラメンホコリダニ(シクラメンマイツ)、スジブトホコリダニ、チャノホコリダニなど。