コナダニ(ケナガコナダニ)類
コナダニ科に属する。この仲間は、湿った食品に発生する害虫として知られる。
園芸害虫とされる種類も、普段は、未分解の有機物(水ゴケ、ワラ、有機質肥料、枯れた植物の残滓など)を餌としている。が、気まぐれに、生きた植物も加害する。
オンシツケナガコナダニは、洋ラン(特にファレノプシス)の重要害虫である。高温多湿を好むため、温室内で増殖しやすい。
※ロビンネダニもコナダニの一種だが、加害の仕方が異なるので、別項に記載した。
発生時期
周年。
被害箇所
葉、つぼみ、花など。
形態など
体長0.5mm程度。体色は白っぽく、半透明。
主な被害
葉や花に寄生し、かすり状の斑点を作ったり、萎縮・変形させたりする。
つぼみが被害を受けると、開花せずに萎れ、落ちてしまう。花が被害を受けると、変形して咲いたり、早くに落花する。
- オンシツケナガコナダニ…主に洋蘭のつぼみや花を加害し、萎れ・落蕾・落花をもたらす。被害は花茎の下方から始まり、徐々に上方へ進むことが多い。シンビジウムの場合、被害花の唇弁が紅く変色する。ファレノプシスでは、被害花の粘着体(花粉塊が虫にくっつきやすくするための粘着物質)が黒く変色する。
対策
見つけ次第、被害部分を取り除いて処分する。
【補足事項】- オンシツケナガコナダニ…花茎の基部に両面テープを巻き、ダニが登るのを防ぐ。
【薬剤】【散布】鉢や植え込み材料に、アファーム、カスケード、マラソンなどを散布。
予防策
過湿を避ける。未熟な有機物を使用しない。マルチング用の敷きワラは、十分に乾燥させてから使う。周囲の雑草を取り除く。
【補足事項】- オンシツケナガコナダニ…鉢内の通気性を改善する。
主な被害植物
【ハーブ・野菜】キュウリ、ホウレンソウなど。
【ラン】シンビジウム、デンファレ、バンダ、ファレノプシスなど。
主な種類
オオケナガコナダニ、オンシツケナガコナダニ(ハウスケナガコナダニ)、ケナガコナダニ、ホウレンソウケナガコナダニなど。