ヘリグロテントウノミハムシ
ハムシ科に属する。単に「テントウノミハムシ」とも呼ばれる。ヒイラギやモクセイの仲間は病害虫が少なめだが、この虫には悩まされやすい。
発生時期
4~10月(幼虫は5~7月。)
被害箇所
葉。
形態
【成虫の形態】甲虫類の一種。体長3~4mm前後。体色は黒色で、背面に赤い斑紋が二つ並び、テントウムシにそっくりである。(赤色地に黒い斑紋が二つ並ぶ個体もあるらしい。)後脚が太く、名前の通り、ノミのように飛び跳ねる。
【幼虫の形態】老熟幼虫で体長5mm程度。体色は乳白色~黄白色。扁平で、やや丸みを帯びる。脚は無い。土中で蛹になる。年1回の発生。
主な被害
【成虫の被害】葉や花弁、果実の表面などを食害する。被害部分は、削られたような溝ができたり、小さな孔が点々と開いたり、ただれたようになったりする。葉脈は食べずに残す。
【幼虫の被害】葉の内部に食入し、大きな袋状の空洞を作る。被害部分は褐色のケロイド状になる。幼虫は、ときどき外に出て、別の葉に移ることがある。
対策
【成虫の対策】見つけ次第捕殺する。被害樹に衝撃を与えると落ちてくるが、逃げ足が速いので注意。
【成虫の薬剤】【散布・土壌混和】アクタラ、アクテリック、アタブロン、アディオン、アドマイヤー1、アファーム、アルバリン、アントム、エンセダン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランDX、オルトランMP、オンコル、カウンター、カルホス、グランドオンコル、サイアノックス、ジェイエース、ジェネレート、スターガード、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ディプテレックス、テルスター、トクチオン、トレボン、ノーモルト、ベストガード、ベニカ、ベニカD、ベニカX、マラソン、モスピランなど。
【幼虫の対策】見つけ次第、葉の中にいる虫を潰すか、被害葉ごと虫を除去する。葉の外に出た虫は捕殺する。
【幼虫の薬剤】【散布・土壌混和】成虫と同じ。
予防策
周辺の雑草を除去する。落ち葉の中で越冬するので、きちんと掃除する。
株全体を寒冷紗などで覆い、成虫の飛来を防ぐ。成虫は銀色に光るものを忌避するので、銀色ポリフィルムなどでマルチングする。
主な被害植物
【樹木・果樹】イボタノキ、ネズミモチ、ヒイラギ、ヒイラギモクセイ、モクセイ類など。