ホソガ類
ホソガ科に属する。「ホソガ」の名の通り、成虫はとても細長い体型をしている。
キンモンホソガはリンゴの、ミカンハモグリガはカンキツ類の重要害虫である。
発生時期
5～11月
【補足事項】- カキホソガ…5～11月
- キンモンホソガ…4～10月
- クスオビホソガ…4～11月
- ミカンハモグリガ…6～10月(最多発生は7～9月。)
被害箇所
葉。
形態など
老熟幼虫で体長4～6mm程度。体色は淡黄色～淡褐色など。
【補足事項】- カキホソガ…老熟幼虫で5mm程度。体色は淡黄色～緑色で、後に赤褐色になる。葉裏で蛹になる。年5回の発生。
- キンモンホソガ…老熟幼虫で4～5mm。体色は淡黄色。葉裏で蛹になる。年4～5回の発生。
- ミカンハモグリガ…老熟幼虫で体長3.5～3.8mm。体色は淡黄色で、平べったい体型。12℃以上で生育する。葉の縁を折り曲げ、その中で蛹になる。成虫で越冬する。年5～10回の発生。正しくは「ミカンコハモグリ」というらしいが、普通は「ミカンハモグリガ」の名で呼ばれる。
主な被害
葉の表皮下に侵入し、葉肉を食害する。被害葉は、袋状の白っぽい空洞が目立つ。被害がひどいと葉が変形し、早期に落葉する。
【補足事項】- カキホソガ…カキだけを加害する。低い位置にある葉や、風通しの悪い枝の葉に多く発生する。発生が多いと、早期落葉を誘発する。
- キンモンホソガ…被害葉は裏側に反って萎縮し、やがて枯れ落ちる。
- クスオビホソガ…クスノキの葉に袋状の空洞を作る。空洞部分は褐色になり目立つ。
- ミカンハモグリガ…カンキツ類の若木を好む。特に夏枝と秋枝を好み、若い葉を加害する。果実の表面を加害することもある。また、「かいよう病」を誘発する。
対策
見つけ次第、葉の中にいる虫を潰すか、被害葉ごと虫を除去する。
【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アクタラ、アディオン、アドマイヤー1、アファーム、アファームエクセラ、アルバリン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、カウンター、カスケード、コロマイト、サムコル、ジェイエース、ジェネレート、スターガード、スピノエース、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ダントツ、ディアナSC、ディプテレックス、デミリン、テルスター、トクチオン、トレボン、ノーモルト、ベストガード、ベニカ、ベニカD、マッチ、マラソン、モスピラン、リーズン、レターデンなど。
【注意点】薬剤に耐性を持つ。虫が葉の内部にいるため、薬剤の効果が薄い。
予防策
通風を改善する。
【補足事項】- ミカンハモグリガ…被害枝を冬季に剪定する。また、葉裏に越冬成虫がいれば捕殺する。
主な被害植物
【樹木・果樹】カイドウ、カキ、カシ類、カンキツ類、クスノキ、クチナシ、ズミ、リンゴなど。
主な種類
カキホソガ(カキハモグリ、カキハモグリガ、カキノハモグリガ)、キンモンホソガ、クスオビホソガ、クチナシホソガ、ミカンハモグリガ(ミカンコハモグリ、ミカンコハモグリガ)など。