エグリバ類(幼虫)
ヤガ科に属する。山間部で発生が多い。いわゆる「吸蛾類」の一種で、幼虫の食害より、成虫の果実吸汁被害のほうが大問題とされる。そのため、「吸汁性害虫」の一種でもある。
発生時期
5~10月
被害箇所
葉。
形態など
老熟幼虫で体長4.5~9cmと大型。体色は淡褐色~緑褐色、黒灰色など。種類によっては、背面に縦線や小斑紋が入る。移動する際は体を伸び縮みさせ、シャクトリムシのような歩き方をする。年2~4回の発生とされる。
【補足事項】- アケビコノハ…老熟幼虫で体長7.5cm前後。体色は淡褐色~黒褐色・緑褐色など。体の中ほどに、大きな目玉模様を持つ。しばしば、上体と尾を持ち上げつつ頭を下げる、独特なポーズを取る。刺激されると、上半身を丸めて目玉模様を見せつける。生長すると葉を綴り合わせて巣を作り、その中でサナギになる。年2回の発生。
- オオエグリバ…老熟幼虫で体長5.5cm。体色は淡褐色で、濃色の細い縦縞が数本入る。頭部は黄褐色で、黒い小斑紋がある。ただし、終齢幼虫になるまでは全身が淡緑色。年2回の発生。
- ヒメエグリバ…老熟幼虫で体長3~4cm。体色は真っ黒で、背面に、淡黄色・赤色・白色の小斑紋が二列並ぶ。年3~4回の発生。
- ムクゲコノハ…老熟幼虫で体長8.5~9cmと大型。体色は淡褐色~灰褐色で、よく見ると、ごく細い、黒い縦線模様が無数に走る。年2回の発生。
主な被害
【幼虫】葉を食害する。
対策
見つけ次第捕殺する。黄色蛍光灯を設置すると成虫を誘引できるが、夜間に次々と飛来しては、吸汁加害後に去ってゆくので、殲滅は難しい。
【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アースガーデンD、アースガーデンW、アーデント、アクセル、アクタラ、アクテリック、アタックワンAL、アタブロン、アディオン、アファーム、アファームエクセラ、アプロードエース、アルバリン、エスマルクDF、園芸用キンチョールE、エンセダン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、ガーデンアースB、ガーデンガードAL、ガーデントップ、ガードジェットBT、ガードベイトA、ガードワン、カウンター、カスケード、カダンA、カダンD、カダンV2、カルホス、キックバールAL、クオーク、ケムシカダンA、サイアノックス、サニーフィールド、サブリナ、サムコル、サンヨールAL、ジェイエース、ジェネレート、スターガード、スピノエース、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、セレクトジン、ゼンターリ、ダイアジノンSL、ダイポール、ダブルアタックAL、ダントツ、チューンアップ、ツービットDF、ディアナSC、ディプテレックス、テガールAL、デミリン、テルスター、デルフィン、トアローCT、トクチオン、トルネード、トレボン、ノーモルト、バイオマックスDF、パイベニカ、バシレックス、ファルコン、ファイブスター、フェニックス、プレオ、プレバソン、フローバックDF、ベジタメートAL、ベストガード、ベニカ、ベニカD、ベニカDX、ベニカX、ベニカグリーンV、マッチ、マトリック、マラソン、モスピラン、リーズン、ロムダンなど。
予防策
株全体を防虫網で覆い、成虫の飛来を防ぐ。成虫は夜行性で、周囲が明るいと加害しないため、黄色蛍光灯を設置し、株の周囲を明るく(2ルクス以上)する。
主な被害植物
【草花・鉢花】カラマツソウなど。
【樹木・果樹】アオツヅラフジ、アケビ、クヌギ、クリ、クルミ、ツヅラフジ、ヒイラギナンテン、ナラ類、ムベなど。
主な種類
アカエグリバ、アケビコノハ(アケビコノハガ)、ウスエグリバ、オオエグリバ、キタエグリバ、キンイロエグリバ、ヒメエグリバ、ムクゲコノハなど。