コブガ類
コブガ科に属する。リンゴコブガの幼虫は非常に奇異な姿なので、一見の価値有り。
※同じ仲間のアカマエアオリンガは、「ハマキムシ」の一種として扱っている。また、ネスジキノカワガとベニモンアオリンガは、「シンクイムシ」の一種とした。
発生時期
- アカオビリンガ…4~10月
- カマフリンガ…4~10月
- キノカワガ…4~9月
- サラサリンガ…3~6月
- ナンキンキノカワガ…4~10月
- ミドリリンガ…4~10月
- リンゴコブガ…4~7月
被害箇所
葉など。
形態など
- アカオビリンガ…老熟幼虫で体長2.2cm。体色は黄色く、背面と体側面に、黒い小斑点が多数並ぶ。全身に、まばらに毛が生える。葉の表側に生息する。
- カマフリンガ…老熟幼虫で体長2.6cm。体色は鮮黄緑色で、背面に、黄色の小斑点と弓形の条班が並ぶ。体側面にも、黄色の線が一本走る。全身に、まばらに毛が生える。年2回の発生。
- キノカワガ…老熟幼虫で体長3.5~4cm。体色は全身緑色で、アオムシに似る。成虫の翅の模様が樹皮を思わせるためこの名がある。成虫で越冬する。年2~3回の発生。
- サラサリンガ…老熟幼虫で体長3.5cm。体色は、黒褐色~灰褐色地に、黄褐色の細い縦縞模様が多数入る。全身に、まばらに毛が生える。しばしば、数十匹で群れを作る。若齢幼虫で越冬するが、越冬時は、幹や枝に大きな袋状の巣を作り、集団でその中に入る。年1回の発生。
- ナンキンキノカワガ…老熟幼虫で体長3cm。体色は黄緑色で、背面に黄色い縦線が四本入る。また、胸部背面に二つ、尾部に一つ、黒い小斑紋がある。頭部は黄緑色。体全体に長い剛毛が生える。暖地で発生する。成虫で越冬する。年2回の発生。
- ミドリリンガ…老熟幼虫で体長3.5cm。体色は淡黄緑色で、背面に淡い黄色の線が一本走る。年2回の発生。
- リンゴコブガ…老熟幼虫で体長1.7cm。体色は褐色で、灰白色の非常に長い毛が密生する。また、胸部~腹部にかけて、黒褐色の長毛が、上方向と水平方向に伸びる。年2回の発生。
頭部の上に、これまでの脱皮殻(頭部のみ)を積み重ねる習性があり、この殻を数えれば、その幼虫が何齢なのかが分かる。(8齢まで育つので、最大7個積み重なる。)
主な被害
葉を食害する。
【補足事項】- カマフリンガ…ニレ類だけを加害する。
- キノカワガ…カキだけを加害する。
- ナンキンキノカワガ…ナンキンハゼだけを加害する。和名は、ナンキンハゼに付くキノカワガ、の意。
対策
見つけ次第捕殺する。
【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アースガーデンD、アースガーデンW、アーデント、アクセル、アクタラ、アクテリック、アタックワンAL、アタブロン、アディオン、アファーム、アファームエクセラ、アプロードエース、アルバリン、エスマルクDF、園芸用キンチョールE、エンセダン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、ガーデンアースB、ガーデンガードAL、ガーデントップ、ガードジェットBT、ガードベイトA、ガードワン、カウンター、カスケード、カダンA、カダンD、カダンV2、カルホス、キックバールAL、クオーク、ケムシカダンA、サイアノックス、サニーフィールド、サブリナ、サムコル、サンヨールAL、ジェイエース、ジェネレート、スターガード、スピノエース、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、セレクトジン、ゼンターリ、ダイアジノンSL、ダイポール、ダブルアタックAL、ダントツ、チューンアップ、ツービットDF、ディアナSC、ディプテレックス、テガールAL、デミリン、テルスター、デルフィン、トアローCT、トクチオン、トルネード、トレボン、ノーモルト、バイオマックスDF、パイベニカ、バシレックス、ファルコン、ファイブスター、フェニックス、プレオ、プレバソン、フローバックDF、ベジタメートAL、ベストガード、ベニカ、ベニカD、ベニカDX、ベニカX、ベニカグリーンV、マッチ、マトリック、マラソン、モスピラン、リーズン、ロムダンなど。
予防策
誘蛾灯を設置し、成虫を誘引捕殺する。
主な被害植物
【樹木・果樹】アンズ、ウメ、オウトウ、カキ、カシ類、クヌギ、クリ、ケヤキ、サクラ、スモモ、ナシ、ナラ類、ナンキンハゼ、ニレ類、ハンノキ、マメガキ、モモ、リンゴなど。
主な種類
アカオビリンガ、カマフリンガ、キノカワガ、クロオビリンガ、サラサリンガ(サラサヒトリ)、ナンキンキノカワガ、ミドリリンガ、リンゴコブガなど。