いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ネキリムシ

ヤガ科に属する。イモムシ類の一種だが、加害の仕方が特殊で、被害株は高確率で枯死するので注意を要する。早期に駆除しないと、被害がどんどん拡大する。

発生時期

3~11月(真夏は一時的に減る。)

【補足事項】
  1. オオカブラヤガ…3~5月

被害箇所

地際部分の茎。

形態など

老熟幼虫で体長3~4.5cm。体色は暗褐色などで、土の色に似る。寸胴のイモムシで、表皮にゴムのような弾力がある。昼間は株元の土中に潜り、体を丸めている。若齢幼虫の間は淡緑色をしており、昼間も活動する。

【補足事項】
  1. カブラヤガ…老熟幼虫で体長4cm。体色は、灰褐色でツヤがある。幼虫またはサナギで越冬する。年3~4回の発生。
  2. シロモンヤガ…老熟幼虫で体長3~4cm程度。体色は灰褐色で、背面に、黒い斑紋が八の字型に並ぶ。幼虫で越冬する。年2回の発生。
  3. タマナヤガ…老熟幼虫で体長4cm前後。体色は暗褐色。やや暖地性。年3~4回の発生。
  4. ニセタマナヤガ…老熟幼虫で体長4cm。体色は茶褐色。海外からの侵入種。

主な被害

夜間に地際部分を食害する。被害株は根際から切り倒され、枯れる。まれに、切断された上部が地面に突き刺してあることもある。
普通に葉を食害することもある。被害株の根元を掘ると、幼虫が見つかる。一度発生すると、駆除しない限り、周囲の株が次々に切り倒される。

野菜や草花だけでなく、オオバコ、カタバミ、タンポポといった雑草も好む。

対策

被害を見つけ次第、周囲の土中にいる虫を探して捕殺する。


【薬剤】【散布・土壌混和】エンバーMC、オルトラン、オルトランDX、ガードベイトA、ガードワン、カルホス、カルモック、グリーンベイト、ショットイン、ダイアジノン、ディプテレックス、デナポン、デナポン5%ベイト、トクチオン、トレボン、ネキリエースK、ネキリトン、ネキリトンK、プレバソンなど。

予防策

直前まで雑草が茂っていた場所に、タネをまいたり、苗を植えたりしない。連作を避ける。周辺の雑草(特にイネ科の草)を除去する。可能なら株元を樹脂製の筒などで覆い、食害を防ぐ。
無用な電照を行わない。誘蛾灯を設置し、成虫を誘引捕殺する。

主な被害植物

【草花・鉢花】アイリス類、オオバコ、キク、キンセンカ、クローバー、チューリップ、パンジー、ビオラ、マリーゴールド、ユリなど。

【ハーブ・野菜】アブラナ、イチゴ、イネ、ウリ類、エンドウ、オオバコ、オクラ、カブ、カリフラワー、キャベツ、サツマイモ、サトイモ、シソ、ジャガイモ、ショウガ、セリ、ダイコン、ダイズ、タマネギ、タンポポ、トウモロコシ、トマト、ナス、ニラ、ネギ、ハクサイ、ビーツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、マメ類、ミント類、ムギ、ヨモギ、レタス類など。

主な種類

オオカブラヤガ、カブラヤガ、シロモンヤガ、センモンヤガ、タマナヤガ、ニセタマナヤガなど。