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素人園芸解説 -私はこう育てる-

フシダニ類

フシダニ科に属する。ほぼ一年中いるが、被害が多いのは、やはり高温乾燥の季節である。

※サビダニ類も、フシダニと同じ仲間であるが、虫コブを作らないため、「ダニ」の項目で扱っている。

発生時期

4~10月(最多発生は5~7月。温室では周年発生する。)

【補足事項】
  1. クルミフシダニ…5~6月・8~9月
  2. コノテフシダニ…6~8月
  3. ニセマツフシダニ…3~8月
  4. ハイビャクシンフシダニ…3~8月
  5. ブドウハモグリダニ…4~9月
  6. ヤナギフシダニ…4~8月

被害箇所

葉、芽など。

形態など

体長0.1~0.3mm程度。肉眼ではほとんど見えない。体色は乳白色~淡黄色。体が細長く、脚が4本しかないなど、一般的なダニのイメージとは大きく異なる姿をしている。

主な被害

植物の組織内に侵入し、吸汁する。被害部分は萎縮・変形する。多くの種類が、被害部分に、小さな虫コブや、フェルト状の巣(葉の表皮細胞を毛状に変化させたもの)を形成する。

【補足事項】
  1. ウメフシダニ…ウメの葉裏に、薄いフェルト状の巣(ごく小さな毛せん状の虫コブの集合体)を作る。
  2. カシフシダニ…葉の表に多数のイボ状虫コブを作る。一度発生すると、毎年同じ木に発生する傾向がある。
  3. クルミフシダニ…葉裏に、毛羽のある虫コブを作る。
  4. コノテフシダニ…芽の内部に生息する。被害芽は変形し、生長が止まる。
  5. ニセマツフシダニ…マツ類の新芽に寄生する。寄生された芽は多芽状となり、生長が止まる。
  6. ハイビャクシンフシダニ…ビャクシン類の芽の先端に寄生して変形させ、伸長を止める。
  7. ブドウハモグリダニ…葉脈の間に虫コブを作る。こぶの裏側は毛羽立っている。つるの先端部の若い葉を好む傾向がある。また、ブドウのウイルス病である「えそ果病」を媒介する。

対策

見つけ次第、虫コブのある部分を除去する。


【薬剤】【散布】アーリーセーフ、アクテリック、アファーム、アプロードエース、イオウ、エムダイファー、オサダン、カーラ、カスケード、カネマイト、カルホス、クムラス、グリーンダイセンM、グリーンペンコゼブ、コロナ、コロマイト、サルファー、ジマンダイセン、スミチオン、ダニカット、ダニゲッター、ダニ太郎、ダニトロン、テデオン、バロック、ビスダイセン、ペンコゼブ、マイトクリーン、マイトコーネ、マッチ、ユニフローサルファー、ラビライト、リーズン、レターデンなど。

(一部、殺菌剤が混じっているが、この仲間に対しては、実際に有効である。)

【注意点】虫コブができ始める前に散布しないと効果が無い。

予防策

通風を改善する。樹皮の隙間などで越冬するので、粗皮を削り落としておく。


【薬剤】可能なら、冬季に、石灰硫黄合剤やマシン油乳剤を散布。

主な被害植物

【草花・鉢花】アリウム、チューリップ、ペチュニアなど。

【樹木・果樹】イチジク、イブキ類、ウメ、カシ類、カンキツ類、キハダ、クコ、クリ、クルミ、コノテガシワ、シデ、シナノキ、チャ、ナシ、ハンノキ、ビャクシン類、ブドウ、ヤナギ類など。

【ハーブ・野菜】ジャガイモ、トマト、ナス、ネギ類、ヨモギなど。

主な種類

ウメフシダニ(ウメハモグリダニ)、カシフシダニ、クコフシダニ、クリフシダニ、クルミフシダニ、コノテフシダニ、ニセマツフシダニ、ハイビャクシンフシダニ、ブドウハモグリダニ、ヤナギフシダニなど。