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素人園芸解説 -私はこう育てる-

カメムシ類・カスミカメ(メクラガメ)類

「カメムシ」と一括りにしたが、属する科は複数に渡る。カスミカメ(メクラガメ)の仲間は、カスミカメムシ科(メクラカメムシ科)である。この仲間は、いずれも不完全変態で、サナギにならない。
近くに山林や草むらがあると被害が大きくなる。強い悪臭で有名な虫だが、体色の派手な種類ほど、臭いを出さない傾向がある。

カメムシの仲間は、必ずしも害虫ではない。肉食性のヒメハナカメムシやサシガメ類のように、他の害虫の天敵となる種類も数多いため、カメムシだからとむやみに駆除するのは良くない。(ただし、うっかり触ると、刺されて痛い思いをすることがあるので、その点は注意。)

カスミカメ(メクラガメ)の仲間は、厳密にはカメムシとは別科の虫だが、姿形や加害状況はカメムシに似る。どの種類も体長1cm以下と小型。昆虫類は普通、単眼と複眼の両方を備えるが、この仲間は単眼を欠くため、「メクラガメ」の名が付いたらしい。しかし、複眼はあるので、目は見えている。
ツノカメムシの仲間は、メス成虫が卵を抱いて外敵から守る、面白い性質がある。(「抱卵」という。)

発生時期

4~11月(最多発生は5~9月頃。)

【補足事項】
  1. アオクサカメムシ…6~10月
  2. アカスジカメムシ…6~8月
  3. アカスジキンカメムシ…6~11月
  4. イチモンジカメムシ…8~10月
  5. クサギカメムシ…6~9月
  6. ツヤアオカメムシ…4~5月・8~11月
  7. ナガメ…4~9月
  8. ノコギリカメムシ…5~8月
  9. ホオズキカメムシ…6~10月
  10. マルカメムシ…5~9月(特に8月に多い。)

被害箇所

新梢、茎、葉、花、つぼみ、果実など。

形態

成虫で体長0.5~1.6cm。背面から見ると、五角形のような形をしている。体色は緑色や褐色、黄褐色、赤褐色など。種類によっては、派手な模様が入る。種類によっては、危険を感じると悪臭を放つが、毒性は無い。(ただし、人によってはかぶれるらしい。)多くの種類は、成虫で越冬する。
幼虫は、成虫とほぼ同じ形で、やや小型。種類によって、集団生活するものと、単独行動するものがある。概して、体色が、成虫より地味で黒っぽい傾向がある。

【補足事項】
  1. アオクサカメムシ…体長1.5cm前後で、全身が鮮黄緑色。幼虫の体色は黒や緑色で、腹部背面に白い斑点が並ぶ。個体によっては、赤や黄緑色の斑点を持つものもいる。年2回の発生。
  2. アカスジカメムシ…体長1~1.2cm。体色は、赤と黒の縦線模様。
  3. アカスジキンカメムシ…体長1.7~2cm。体色は、金色の金属光沢のある緑色地に、赤い線模様が入り、とても美しい。幼虫は、成虫ほど派手ではなく、やや金属光沢のある黒褐色や緑褐色地に、白や赤の線模様が入る。終齢幼虫で越冬する。
  4. ウスミドリカスミカメ…体長0.4~0.6cm。体色は緑色。扁平で触角が長い。植物を加害するのは早朝と夕方で、日中は姿を見せない。とても敏捷で、見つけるのが難しい。
  5. エサキモンキツノカメムシ…体長1.1~1.3cm。茶褐色をした背面に、クリーム色のハート型模様を持つ。
  6. オオクモヘリカメムシ…体長2cmで、細長い体型。頭部と胸部は緑色で、翅が褐色。暖地性だが、近年、生息域を広げている。
  7. クサギカメムシ…体長1.3~1.8cm。体色は濃茶色で、よく見ると、全身に褐色の小斑点がある。腹部の縁が、淡褐色と黒褐色の縞々になっている。山林周辺に多い。
  8. チャバネアオカメムシ…体長1~1.2cm。体色は緑色で、翅が茶色く、尾部は黒い。スギやヒノキの毬果をエサとするため、これらが多いと発生数も増える。年1~3回の発生。
  9. ツヤアオカメムシ…体長1.4~1.7cm。体色は緑色。やや暖地性で寒さに弱く、常緑樹の茂みの中で越冬する。
  10. ナガメ…体長0.7~0.9cmと小さい。体色は、黒地に赤橙色の網目状模様があり、非常に目立つ。年2回の発生。菜の花など、アブラナ科植物を加害するため、この名前が付いたらしい。
  11. ノコギリカメムシ…体長1.5cm前後。体色は灰褐色。名前の通り、腹部の縁にノコギリのような鋸歯がある。
  12. ブチヒゲカメムシ…体長1.3cm。体色は赤褐色で、背面に淡褐色・白・黒褐色の模様が並ぶ。年2回の発生。
  13. ホオズキカメムシ…体長1cm。体色は茶褐色で、やや細長い。幼虫は、全身に白い粉状物質をかぶっている。
  14. マルカメムシ…体長0.5cm。体色は黄褐色で、名前の通り、体が丸っこい。
  15. ミナミアオカメムシ…体長1cm。全身が緑色で、背面の尾部のみ、黒緑色。
  16. ミナミトゲヘリカメムシ…体長1.6~2.3cm。体色は淡褐色で、細長い体型。胸部の左右両端に、トゲのような突起がある。本来、暖地性だが、近年、生息域を広げているらしい。

主な被害

若い茎、葉、花、果実に寄生し、吸汁する。被害部分は正常な生長が妨げられ、変形したり、伸長が停止したりする。
(この仲間は、口針(針状の口)で植物の組織を砕いて、唾液を分泌して溶かし、それを吸っている。そのため、クリのような、果汁の無いタネでも加害できる。)

【補足事項】

  1. …新葉が被害を受けると、萎縮・変形して正常に展開しなくなり、小さな穴が開いたり、ケロイド状に引きつれたり、ぼろぼろになったりする。その他、被害部分が白っぽくなったり、広範囲に渡り黒く変色することがある。
  2. 果実…被害果は、ジャガイモのようなでこぼこ果実になったり、奇形果になる。被害痕が変色して硬くなり、コルク化することもある。幼果では、落果することが多い。
    マメ科植物では、若いサヤほど被害を受けやすい。また、稲モミが被害を受けると、米に斑点模様ができてしまい、商品価値が落ちる。
【補足事項その2】
  1. アカスジキンカメムシ…セリ科植物だけを加害する。
  2. ウスミドリカスミカメ…展開中の新葉を好んで加害する。被害葉は小さな孔が多数あき、萎縮・変形する。
  3. ナガメ…アブラナ科植物だけを加害する。
  4. ノコギリカメムシ…ウリ科植物だけを加害する。
  5. ホオズキカメムシ…アブラムシのように、茎で集団生活をしつつ吸汁し、萎れさせる。名前に反し、ナス科植物だけでなく、サツマイモなどヒルガオ科植物にも付く。
  6. マルカメムシ…マメ科植物だけを加害する。

対策

見つけ次第捕殺する。比較的動きが鈍い、早朝~午前中がよい。


【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アクタラ、アクテリック、アディオン、アルバリン、アントム、ウララDF、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、カメムシダウンAL、カルホス、サイアノックス、スーパーカメムシジェット、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ダントツ、チェス、ディプテレックス、テルスター、トレボン、ベニカ、ベニカD、ベニカDX、ベニカX、ベストガード、マラソン、モスピランなど。

予防策

周辺の雑草を除去する。キク科植物や、キリ、毬果を付ける針葉樹(スギ、ヒノキなど)に寄って来るため、大切な植物の近くで栽培しない。落ち葉や枯れ草の中で越冬するので、きちんと掃除する。

【補足事項】
  1. アカスジキンカメムシ…落ち葉の下などで越冬するので、よく掃除する。
  2. クサギカメムシ…枯れ草や屋内の隙間などで越冬するため、よく掃除する。
  3. チャバネアオカメムシ…枯れ草の中、落ち葉や石の下などで越冬するため、よく掃除する。抵抗性のある品種を栽培する。黄色蛍光灯やナトリウム灯の明かりを忌避するため、大切な植物のそばに設置する(他のカメムシには効果無し)。

主な被害植物

【草花・鉢花】アサガオ、キク、クレオメ、ヒマワリなど。

【樹木・果樹】イチジク、ウメ、オウトウ、カキ、カンキツ類、キウイ、キブシ、キリ、クリ、クワ、スギ類、スモモ、チャ、ナシ、ナラ類、ハギ、ヒイラギ、ヒノキ、ビワ、フジ、ブドウ、ブルーベリー、モモ、ヤマモモ、リンゴなど。

【ハーブ・野菜】アズキ、イネ、インゲン、ウリ類、エダマメ、エンドウ、オクラ、カボチャ、キハダ、キュウリ、クズ、サツマイモ、ジャガイモ、スイカ、ズッキーニ、ソラマメ、ダイコン、ダイズ、チンゲンサイ、トウガラシ、トウモロコシ、トマト、ナス、ニンジン、パセリ、ピーマン、フェンネル、メロンなど。

主な種類

【カメムシ類】アオクサカメムシ、アカスジカメムシ、アカスジキンカメムシ、イチモンジカメムシ、イネカメムシ、イネクロカメムシ、ウシカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、オオクモヘリカメムシ、オオホシカメムシ、キバラヘリカメムシ、クサギカメムシ、クモヘリカメムシ、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、トゲシラホシカメムシ、ナガメ、ヒメナガメ、ブチヒゲカメムシ、ホオズキカメムシ(ホオズキヘリカメムシ)、ホソヘリカメムシ、マメカメムシ、マルカメムシ、ミナミアオカメムシ、ミナミトゲヘリカメムシなど。

【カスミカメ(メクラガメ)類】ウスミドリカスミカメ(ウスミドリメクラガメ、ウスミドリメクラカメムシ)、ウスモンミドリカスミカメ(ウスモンミドリメクラガメ)、コアオカスミカメ(コアオメクラガメ、コミドリメクラガメ)、ツマグロアオカスミカメ(ツマグロアオメクラガメ)など。