ヨコバイ類
ヨコバイ科に属する。山間部で発生が多い。
発生時期
3~11月
【補足事項】- キウイヒメヨコバイ…4~11月
- シロズヒメヨコバイ…5~10月
- フタテンヒメヨコバイ…6~9月
被害箇所
葉。
形態など
体長3~6mmだが、大型種には10mmを超えるものもある。体色は、淡黄緑色や黄白色など。種類によっては、黒い斑紋を持つ。体型はセミに似るが、縦に細長く、やや扁平。よく飛び跳ね、すばしっこく、人の気配がするとすぐに姿をくらます。
【補足事項】- キウイヒメヨコバイ…成虫で体長3~4mm程度。体色が雌雄で全く異なり、雌は淡白緑色だが、雄は赤紅色をしている。
- シロズヒメヨコバイ…成虫で体長3~3.5mm程度。淡黄緑色地に、印象的な黒色模様が入っている。若齢幼虫は全身が白っぽい。年3回の発生。
- ツマグロオオヨコバイ…成虫で体長13mm前後。淡黄色の胸部に黒い小斑点が入り、翅は淡黄緑色をしている。幼虫は全身が淡黄色。その体型と色彩から、「バナナ虫」とも呼ばれる。
- トチノキヒメヨコバイ…成虫で体長3~3.5mm程度。体色は淡黄緑色。近年、被害が増えているらしい。
主な被害
幼虫・成虫ともに、葉や果実で集団生活し、吸汁する。被害部分は、白っぽくかすり状に色が抜けたり、へこんだりする。一見、ハダニ類の被害痕に似るが、一つ一つの斑点が、より大きい。
多発すると、被害部分が枯れ込んだり、周囲が排泄物で汚れ、すす病を誘発する。ウイルスやファイトプラズマスを媒介する種類が多いため、必ず早期に駆除する。
- イナヅマヨコバイ、ツマグロヨコバイ…イネの大害虫として有名。被害イネは葉が枯れ上がり、倒伏する。また、ウイルス病である「イネ萎縮病」を媒介する。ウイルスを保有する親虫が産んだ卵から孵った子虫も、ウイルスを保毒しているという。
- キマダラヒロヨコバイ…植物病原微生物であるファイトプラズマを媒介する。
- フタテンヒメヨコバイ…葉裏に毛のある植物に発生しやすい。山間地ほど被害が大きい。こちらもファイトプラズマを媒介する。
対策
見つけ次第捕殺するが、逃げられやすい。
【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アーリーセーフ、アクタラ、アクテリック、アタックワンAL、アディオン、アドマイヤー1、アプロード、アルバリン、アントム、ウララDF、園芸用キンチョールE、エンセダン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、オンコル、ガーデンアースB、ガーデンガードAL、ガーデントップ、ガードベイトA、カダンAP、カダンD、カダンV2、カルホス、キックバールAL、コルト、サイアノックス、サンヨールAL、ジェイエース、ジェネレート、スケルサイドA、スターガード、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ダニトロン、ダブルアタックAL、ダントツ、チェス、ディプテレックス、テガールAL、テルスター、トクチオン、トレボン、パイベニカ、ブルースカイAL、プレバソン、ベジタメートAL、ベストガード、ベニカ、ベニカD、ベニカDX、ベニカX、ベニカマイルド、マラソン、ムシキントール、モスピラン、リーズン、レルダンなど。
【注意点】やや薬剤の効果が薄い。
予防策
十分な日照を確保する。通風を改善する。イネ科雑草を重点的に除去する。種類によっては、雑草の中で卵や成虫が越冬するため、きちんと除草する。
【補足事項】- キウイヒメヨコバイ…芽の付近に産み付けられた卵で越冬するため、石灰硫黄合剤の効果が、特に高い。
主な被害植物
【樹木・果樹】アジサイ、エビヅル、キウイ、クワ、チャ、トチノキ、ノブドウ、バラ、ブドウ、モモ、リンゴなど。
【ハーブ・野菜】イチゴ、イネ、ショウブなど。
主な種類
イシダヒメヨコバイ、イナヅマヨコバイ、イネマダラヨコバイ、カキヒメヨコバイ、キウイヒメヨコバイ、キマダラヒロヨコバイ、クワキヨコバイ、シロズヒメヨコバイ、スズキヒメヨコバイ、チャノミドリヒメヨコバイ、ツマグロオオヨコバイ(バナナムシ)、ツマグロヨコバイ、トチノキヒメヨコバイ、ヒシモンヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ、ミカンノミドリヒメヨコバイ、ミドリヒメヨコバイなど。