クキセンチュウ類
この仲間は、主に球根植物に寄生する。悪環境に対する抵抗力が強く、寄生できる植物が無くても、数年は生存できる。
被害症状が、ウイルス病の症状と紛らわしいので注意。
発生時期
3~11月
被害箇所
茎、葉、球根など。
形態など
体長1~1.5mm。ごく小さなミミズ状で、体色は半透明。
主な被害
- イモグサレセンチュウ…下葉から萎縮し、黄色くなって枯れる。地下の球根やイモは、表面が褐色になって荒れ、やがて腐りながら干からびる。(掘り上げ貯蔵中にも被害は進行する。)干からびた球根を水に浸すと、中からセンチュウが泳ぎ出てくる。
- ナミクキセンチュウ…茎葉にかすり状の模様が出て、時に、萎縮・変形する。球根部は肥大しなくなり、奇形化することもある。鱗茎を持つ球根植物の場合、鱗茎を水平方向に切断すると、輪状に腐敗しているのがわかる。
対策
見つけ次第、被害株を除去する。
球根植物の場合、被害を受けると内部が乾腐状態になるので、貯蔵前に水に浸け、浮いたものを捨てるとよい。ただし、スイセンは球根が浮きやすい性質があるため、この方法は使えない。なお、鑑定が終わったら、その水は必ず処分する。
予防策
被害株から子株などを取らない。保存のために球根を掘り上げたら、手早く乾燥させる。一度発生した土は、消毒するまで再利用しない。出所の怪しい球根を植え付けない。
- イモグサレセンチュウ…貯蔵前の球根を、50℃の湯に30分、または43℃の湯に3時間浸して消毒する。
- ナミクキセンチュウ…粘土質の土を好むので、きちんと土壌改良する。
【薬剤】【粉衣】ベンレートなど。
【注意点】掘り上げた球根に対して行うが、イモグサレセンチュウにしか効果が無いらしい。
主な被害植物
【草花・鉢花】球根アイリス、グラジオラス、クロッカス、サフラン、スイセン、スターチス、ダリア、チグリジア、チューリップ、デージー、ヒアシンス、ヒマワリ、リアトリスなど。
【ハーブ・野菜】ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、ムギ類、ラッキョウなど。
主な種類
イモグサレセンチュウ、ナミクキセンチュウなど。