ショウジョウバエ類・タマバエ類・ミバエ類
それぞれ、ショウジョウバエ科・タマバエ科・ミバエ科に属する。熟し過ぎて腐りかけた果実にも多発する。果物の生ゴミにも集まってくる、よく知られた虫。
発生時期
3~11月
【補足事項】- オウトウハマダラミバエ…4~6月
- カボチャミバエ…7~10月
- ミカンツボミタマバエ…4~5月
被害箇所
幼果、果実、つぼみ、葉柄など。
形態など
体長2~15mm程度。乳白色~淡黄色をしたウジムシ。
【補足事項】- ウリミバエ…老熟幼虫で体長12mm。東南アジアからの侵入害虫で、「侵略的外来種ワースト100」の一つ。日本の亜熱帯域に定着しかけていたが、現在は根絶されている。
- カボチャミバエ…老熟幼虫は、加害果実の内部で飛び跳ねる性質がある。サナギになるとき、果実を脱出し、土中に潜る。年1回の発生。
- ミカンコミバエ…こちらも東南アジアからの侵入害虫で、日本の亜熱帯域に定着していたが、現在は根絶されている。
- ミカンツボミタマバエ…初夏になると地中に潜り、翌春に成虫になるまで出てこない。年1回の発生。
主な被害
幼果や完熟果実、葉柄に食入し、芯の周辺を食い荒らす。被害果は、表面に、褐色の小さなへこみができる。やがて、果実全体が腐敗・落果する。果菜・果物類の場合は、食入孔付近から発酵臭がすることがある。
【補足事項】- オウトウショウジョウバエ…完熟果実の、比較的浅い部分を好んで食い荒らす。
- サヤタマバエ、ダイズサヤタマバエ…エダマメとダイズだけを加害する。
- ツワブキケブカミバエ…ツワブキの葉柄に集団で食入するため、被害部分が肥大する。
- ミカンツボミタマバエ…カンキツ類のつぼみの内部を食い荒らし、落蕾させるため、果実が減る。
対策
見つけ次第、被害果ごと虫を除去する。すでに腐り落ちた果実も、虫が入ったままのことが多いので放置しない。
【薬剤】【散布】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アクタラ、アクテリック、アディオン、アドマイヤー1、アファーム、アファームエクセラ、アルバリン、アントム、ウララDF、エンセダン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、オンコル、カウンター、カスケード、カルホス、サイアノックス、サニーフィールド、サムコル、ジェイエース、ジェネレート、スケルサイドA、スターガード、スピノエース、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ダントツ、ディアナSC、ディプテレックス、デミリン、テルスター、トクチオン、トリガード、トレボン、プレオ、プレバソン、ベストガード、ベニカ、ベニカD、ベニカDX、ベニカX、ベニカマイルド、マッチ、マラソン、ムシキントール、モスピランなど。
【注意点】薬剤の効果は限定的。
予防策
果実がある程度肥大したら袋かけをする。完熟した果実は、すぐに収穫する。株全体を不織布などで覆い、成虫の飛来を防止する。周囲の雑草を除去する。
被害株付近の浅い土中や、雑草の隙間などで越冬するため、冬に掃除し、軽く耕しておく。
主な被害植物
【草花・鉢花】キク、ヘチマなど。
【観葉・多肉】ツワブキなど。
【樹木・果樹】アセロラ、アボカド、アンズ、イチジク、オウトウ、オリーブ、カンキツ類、キイチゴ類、グァバ、ザクロ、スモモ、ナシ、パパイヤ、ビワ、ブドウ、ブルーベリー、マンゴー、モモ、ヤマモモ、リンゴなど。
【ハーブ・野菜】イチゴ、エダマメ、カボチャ、キュウリ、スイカ、ダイズ、トマト、ニガウリ、ピーマンなど。
主な種類
ウリミバエ、オウトウショウジョウバエ、オウトウハマダラミバエ(オウトウミバエ)、カボチャミバエ、サヤタマバエ、ダイズサヤタマバエ、ツワブキケブカミバエ、ミカンコミバエ、ミカンツボミタマバエ、ムギタマバエなど。