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素人園芸解説 -私はこう育てる-

キバガ類(シンクイムシ)

キバガ科に属する。この仲間の成虫は、口器の一部(「下唇鬚」と呼ばれる部分)が、牙のような形に反り返っており、これが和名の由来となっている。
ジャガイモガは、ジャガイモの世界的な大害虫として有名。多発するうえ、新イモへの食入が特に激しいことから、被害も甚大となる。海外からの侵入種で、日本では福島以南に定着している。ただし、それより北の地域でも、散発的に発生する。

※ジャガイモガは、最初は葉肉内に潜るため「エカキムシ」でもあるが、イモへの食入被害のほうが深刻なため、ここで扱っている。

発生時期

  1. アヤメキバガ…3月・5~9月
  2. クルミシントメキバガ…5~8月
  3. ジャガイモガ…4~10月

被害箇所

芽、新枝、葉柄、葉、葉の基部、地下のイモなど。

形態など

  1. アヤメキバガ…老熟幼虫で体長1cm。体色は淡赤褐色で、赤褐色の縦線模様が入る。幼虫で越冬する。年2回の発生。
  2. クルミシントメキバガ…老熟幼虫で体長1cm。体色は淡褐色。
  3. ジャガイモガ…老熟幼虫で体長1~1.2cm。体色は、やや赤みを帯びた淡灰褐色。年4~5回の発生。

主な被害

  1. アヤメキバガ…アヤメ類の葉の基部に食入し、新芽や葉を食い荒らすため、生長が止まる。被害株の芯葉は黄変し、引っ張るとすっぽ抜ける。若齢幼虫の間は、エカキムシのように、葉肉内に潜っている。
  2. クルミシントメキバガ…春の新芽や、葉柄の基部に食入する。
  3. ジャガイモガ…ナス科植物の葉肉内に入り込み、白っぽい袋状の空洞を形成する。芯葉を加害されると、芯止まりとなり、茎の伸張が止まる。
    被害植物がジャガイモだった場合は、葉の被害に加え、塊茎(イモ)の表皮下にも食入し、内部を食害する。この場合、収穫後もイモの中で食害を続ける。

対策

被害部分ごと虫を除去する。すでに枯れ落ちたものも、虫が残っていることがあるので処分する。


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【注意点】虫が株の内部にいるため、薬剤の効果が薄い。

予防策

無用な電照を行わない。誘蛾灯を設置し、成虫を誘引捕殺する。

【補足事項】
  1. アヤメキバガ…地際の枯れ葉の隙間で幼虫が越冬するため、きれいに取り除いて駆除しておく。
  2. ジャガイモガ…タネイモの購入前に、被害を受けていないかよく確認する。タネイモや収穫後のイモを、裸のまま屋外に放置しない。

主な被害植物

【草花・鉢花】アヤメ、ハナショウブ、ハナタバコ、ホオズキなど。

【樹木・果樹】クルミ類など。

【ハーブ・野菜】ジャガイモ、トマト、ナス、ピーマンなど。

主な種類

アヤメキバガ(メイチュウ)、クルミシントメキバガ、ジャガイモガなど。