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素人園芸解説 -私はこう育てる-

コブガ類(シンクイムシ)

コブガ科に属する。ベニモンアオリンガはツツジ類の重要害虫として有名。クリの場合、まだ緑色のイガから虫糞が出ていたら、ネスジキノカワガか、モモノゴマダラノメイガ(淡桃色のイモムシ)の、どちらかの発生を疑う。

発生時期

  1. ネスジキノカワガ…4~11月(食入被害は6月以降。)
  2. ベニモンアオリンガ…5~10月(食入被害は7月以降。)

被害箇所

つぼみ、新梢、若葉、芽、果実など。

形態など

  1. ネスジキノカワガ…老熟幼虫で体長1.2cm前後。体色は暗赤褐色。サナギで越冬する。年4~5回の発生。
  2. ベニモンアオリンガ…老熟幼虫で体長1~1.5cm。体色は濃茶褐色で、黒褐色のまだら模様がある。昼間は、葉裏や葉の隙間などに隠れている。葉裏にマユを作り、サナギで越冬する。年2~3回の発生。

主な被害

  1. ネスジキノカワガ…ブナ科植物のみを食害する。クリの場合、未熟なイガ(4~5cm前後)に侵入し、中の果実に食入する。食入孔からは、黒褐色の糞が出る。被害果は、完熟することなく落果する。なお、春に発生する幼虫は、果実ではなく、新芽や若い枝葉を食害する。
  2. ベニモンアオリンガ…ツツジ科植物の葉を食害するほか、初夏以降は、芽やつぼみ、枝などに小さな孔をあけて食入する。被害部分は褐色になって枯れる。幼虫は、一箇所にとどまらず、よく移動し、複数箇所を食害する。特に花芽を好み、被害がひどいと、翌年全く咲かなくなる。

対策

被害部分ごと虫を除去する。すでに枯れ落ちたものも、虫が残っていることがあるので処分する。


【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アクセル、アクタラ、アタブロン、アディオン、アップデート、アファーム、アファームエクセラ、アルバリン、エスマルクDF、園芸用キンチョールE、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、オンコル、ガードジェットBT、カウンター、カスケード、カルホス、カルモック、サイアノックス、サブリナ、サムコル、ジェイエース、ジェネレート、スピノエース、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、セレクトジン、ゼンターリ、ダイポール、ダントツ、チューンアップ、ツービットDF、ディアナSC、ディプテレックス、デミリン、テルスター、デルフィン、トアロー、トクチオン、トルネード、トレボン、ノーモルト、バシレックス、ファルコン、フェニックス、プレオ、プレバソン、フローバックDF、ベニカ、マッチ、マトリック、マラソン、モスピラン、リーズン、レターデン、ロムダンなど。

【注意点】虫が株の内部にいるため、薬剤の効果が薄い。

予防策

  1. ネスジキノカワガ…落ちた被害果の外側にマユを作るので、放置せず、集めて処分する。また、冬は、樹皮の隙間などにもマユを作るため、粗皮を削り落としておく。
  2. ベニモンアオリンガ…誘蛾灯を設置し、成虫を誘引捕殺する。

主な被害植物

【樹木・果樹】クリ、サツキ、シャクナゲ、ツツジ類など。

主な種類

ネスジキノカワガ、ベニモンアオリンガ(ツボミムシ)など。