クキバチ類
クキバチ科に属する。どこからともなく飛来して産卵し、すぐ飛び去るため、根本的に防除するのは難しい。
発生時期
- バラクキバチ…4~5月
- モンクキバチ…4~7月
被害箇所
新梢の先端付近。
形態など
いずれも、老熟幼虫で体長1cm前後。乳白色~黄白色をしたイモムシ状。
- バラクキバチ…年1回の発生。
- モンクキバチ…老熟幼虫で越冬する。年2回の発生。
主な被害
成虫が、新梢の先端から10~20cmくらい下の部分に傷を付け、産卵する。被害部分は急激に萎れる。(産卵による傷が水平方向であるため、導管が切断される。)
孵化した幼虫は、産卵痕より下部に向かって内部を食害する。被害枝を引っ張ると容易に折れる。産卵痕付近から、黄褐色の糞が出てくることもある。
- バラクキバチ…つるバラの太い新梢を特に好むらしい。
対策
見つけ次第、被害枝を切除する。幼虫は産卵痕より下方にも食い進むため、健全部分を少し付けて切除した方がよい。
発見が早かった場合は、傷ついた茎にテープを巻いて補強すれば、癒合することがある。(この場合、卵の孵化も抑制される。)
【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アースガーデンW、アーデント、アクタラ、アクテリック、アタックワンAL、アディオン、アドマイヤー1、アファーム、アルバリン、アントム、ウララDF、園芸用キンチョールE、エンセダン、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、オンコル、ガーデンアースB、ガーデンガードAL、ガーデントップ、ガードベイトA、カダンD、カダンV2、カルホス、キックバールAL、ケムシカダンA、サイアノックス、サニーフィールド、サンヨールAL、ジェイエース、ジェネレート、スケルサイドA、スターガード、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ダブルアタックAL、ダントツ、ディプテレックス、テガールAL、デミリン、テルスター、トクチオン、トレボン、パイベニカ、ブルースカイAL、ベジタメートAL、ベストガード、ベニカD、ベニカDX、ベニカX、ベニカグリーンV、ベニカマイルド、マラソン、モスピランなど。
【注意点】薬剤の散布は、成虫の忌避・殺虫効果を狙って行う。
オルトラン、ベストガード、モスピランなど、浸透移行性のある薬剤なら、幼虫にも効果があるが、被害枝はすでに枯れているため、切除した方が現実的。
予防策
いずれも、枯れた被害茎の中で越冬するので、その部分を冬に切除・処分する。大切な株なら、成虫の発生期間中、寒冷紗などで覆って、産卵から守る。
【補足事項】- バラクキバチ…新梢の先端~30cmくらいまでの場所に、接ぎ木用テープなどを巻き、産卵を防ぐ。(6月以降に外す。)
主な被害植物
【樹木・果樹】ガマズミ、サンゴジュ、バラなど。
主な種類
バラクキバチ、モンクキバチなど。