トリバガ類
トリバガ科に属する。この仲間の成虫は、とても細長い翅を持つが、その翅の縁に、鳥の羽に似た細かい毛羽があり、和名「鳥羽蛾」の由来となっている。静止する時には、その翅をたたむのではなく、左右に伸ばす。また、脚も異様に長く、種類によってはトゲが目立ち、一見、ガの仲間とは思えない。
※ヨモギトリバのように、「ハマキムシ」に分類される種類もある。
発生時期
- エゾギクトリバ…4~10月(春と秋に多発する。暖地ではほぼ周年発生。)
- ブドウオオトリバ、ブドウトリバ…6~9月
被害箇所
果実、茎、つぼみ、花など。
形態など
- エゾギクトリバ…老熟幼虫で体長7mm前後。体色は淡黄色~淡黄緑色。
- ブドウオオトリバ…老熟幼虫で体長10~15mmと、やや大きい。体色は淡黄色~淡黄緑色。山間部に多い。年2~3回の発生。
- ブドウトリバ…老熟幼虫で体長8mm程度。体色は淡黄緑色。年2~3回の発生。
主な被害
- エゾギクトリバ…キク科植物だけを加害する。食入孔からは、褐色~黒色の糞が出る。周囲の芽や葉も食害する。
- ブドウトリバ、ブドウオオトリバ…ブドウ類の果実に食入する。食入孔からは、淡褐色の糞が出て、かなり目立つ。次々に果実を渡り歩くため、大きな被害となる。
対策
被害部分ごと虫を除去する。すでに枯れ落ちたものも、虫が残っていることがあるので処分する。
【薬剤】【散布・土壌混和】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アクセル、アクタラ、アタブロン、アディオン、アップデート、アファーム、アファームエクセラ、アルバリン、エスマルクDF、園芸用キンチョールE、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランDX、オルトランMP、オンコル、ガードジェットBT、カウンター、カスケード、カルホス、カルモック、サイアノックス、サブリナ、サムコル、ジェイエース、ジェネレート、スピノエース、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、セレクトジン、ゼンターリ、ダイポール、ダントツ、チューンアップ、ツービットDF、ディアナSC、ディプテレックス、デミリン、テルスター、デルフィン、トアロー、トクチオン、トルネード、トレボン、ノーモルト、バシレックス、ファルコン、フェニックス、プレオ、プレバソン、フローバックDF、ベニカ、マッチ、マトリック、マラソン、モスピラン、リーズン、レターデン、ロムダンなど。
【注意点】虫が食入してしまうと、ほとんど効果が無くなる。
【補足事項】- ブドウトリバ、ブドウオオトリバ…フェロモントラップが開発されているが、一般家庭では入手しにくい。
予防策
- エゾギクトリバ…キク科植物の連作を避ける。
- ブドウトリバ、ブドウオオトリバ…果実に袋かけをする。
主な被害植物
【草花・鉢花】アゲラタム、アスター、ガーベラ、キク、キンセンカ、ジニア、シロタエギク、ダリア、マリーゴールドなど。
【樹木・果樹】エビヅル、ブドウなど。
主な種類
エゾギクトリバ、ブドウオオトリバ、ブドウトリバなど。