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素人園芸解説 -私はこう育てる-

タマムシ類・ナガタマムシ類

タマムシ科に属する。山間部で被害が多く、時に大発生する。ミカンナガタマムシは、カンキツ類の重要害虫である。

発生時期

いずれも成虫飛来期。

  1. クリタマムシ…5~7月
  2. ミカンナガタマムシ…6~10月

被害箇所

幹、枝、葉など。

形態

【成虫の形態】いずれも甲虫類の一種で、年1回の発生。

  1. クリタマムシ…体長3.5~6mm。体色は黒褐色で、背面に灰色の模様が入る。縦に細長い体形。
  2. ミカンナガタマムシ…体長5~10mm。体色は黒く、縦に細長い体型。

【幼虫の形態】老熟幼虫で体長10~20mm前後。乳白色をしたイモムシ状。

主な被害

【成虫の被害】

  1. クリタマムシ…葉の表面を浅く食害する。被害葉の表面は、褐色の短い線(食害痕)が不規則に入る。
  2. ミカンナガタマムシ…葉を縁から食害する。食害痕はギザギザになっていて特徴的。

【幼虫の被害】

  1. クリタマムシ…細い枝の内部に侵入し、形成層を食害する。被害枝は弱り、枯死することが多い。
  2. ミカンナガタマムシ…カンキツ類だけを加害する。枝や幹の樹皮下に食入し、形成層に沿って食い荒らす。また、サナギになるとき、木質部まで食い込む。食い進んだ孔を木屑と糞で塞ぐため、外部から殺虫剤を注入しても効果が薄い。老木や衰弱した木を好む傾向がある。

対策

【成虫の対策】見つけ次第捕殺する。


【成虫の薬剤】【散布】Mr.ジョーカー、アークリン、アーデント、アクタラ、アクテリック、アタブロン、アディオン、アドマイヤー1、アプロード、アルバリン、アントム、エンセダン、エンバーMC、オルチオン、オルトラン、オルトランA、オルトランC、オルトランMP、オンコル、ガーデンアースB、ガードベイトA、カウンター、カスケード、カダンAP、カダンD、カルホス、グランドオンコル、サイアノックス、サニーフィールド、ジェイエース、ジェネレート、ショットイン、スケルサイドA、スターガード、スタークル、スミソン、スミチオン、スミナイス、スミフェート、ダイアジノンSL、ダントツ、ディプテレックス、テルスター、トクチオン、トレボン、ノーモルト、パイベニカ、パーマチオン、ピレオール、ベジタメートAL、ベストガード、ベニカ、ベニカD、ベニカX、マッチ、マラソン、マルチガード、モスピランなど。


【幼虫の対策】可能なら、被害部分の樹皮をはぎ、中にいる幼虫を捕殺する。(その後、木の傷跡に、カルスメイト、ケアヘルス、トップジンMペーストなどを塗布。)

【補足事項】
  1. ミカンナガタマムシ…被害を受けて枯れ始めた木があれば、早急に切り倒して処分する。

【幼虫の薬剤】【食入孔に処理】アクタラ、アルバリン、園芸用キンチョールE、カルホス、スミチオン、ダントツ、テッポーダン、トクチオン、ベニカ、ベニカマツケア、マツグリーン、マラソン、モスピラン、リーズンなど。
【散布・塗布】ガットキラー、ガットサイドS、サッチューコートS、スミパイン、トラサイドAなど。

【注意点】小さな虫で、食入孔がわかりにくいので、幹に浸透する薬剤を散布・塗布したほうが無難。

予防策

  1. クリタマムシ…樹皮の割れ目・裂け目に産卵するので、可能なら、冬季に粗皮を削り落としておく。
  2. ミカンナガタマムシ…木を弱らせない。近くに枯死した被害木があれば、切り倒して処分する。

主な被害植物

【樹木・果樹】カシワ、カンキツ類、クリ、ナラ類など。

主な種類

クリタマムシ、ミカンナガタマムシなど。