いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

アブチロン

イメージ

原産地

ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ

アオイ科

高さ

30~150cm

花期

4~11月

形態

常緑低木または多年草

別名等

フラワリングメイプル/チャイニーズランタン/ウィンターハイビスカス/チェリーハイビスカス


ストリアツム(異名)/ショウジョウカ/猩々花(いずれもピクツム)
キフアブチロン/黄斑アブチロン(ピクツム「トンプソニー」)
ウキツリボク/浮釣木/ツリウキボク/釣浮木/チロリアンランプ(いずれもメガポタミクム)

日照

3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(酷暑期の西日は避ける)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】水切れを嫌うが、過湿になると立枯病が発生する。

肥料

4月上旬~11月上旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

【補足】あまり多肥にしない。もし夏バテしたら施肥を一時停止する。

植え替え

4月中旬~6月下旬か、9月上旬~10月下旬。

【補足】生長が早いので、1~2年に一度行う。できる限り根を傷付けない。

整姿

伸びすぎれば、春~夏の生育期に適宜切り戻す。(葉や芽を残しながら切らないと、萌芽せずに枯れ込むことがある。)
タネができるとその後の開花が鈍るので、花がらをマメに摘み取る。

繁殖

【挿し木・接ぎ木】4月下旬~10月上旬(挿し木の発根には1ヵ月ほどかかる)。

【タネまき】4月下旬~6月上旬(土はかけない)。

耐暑性

わりと強いが、生育・開花は鈍る。

耐寒性

最低3℃を保つ。

解説

  1. この仲間は大きく分けて、「木立性の原種ピクツムの交配種」と、「半つる性の原種メガポタミクムの交配種」がある。いずれも品種が多く、花色がとても豊富。斑入り葉の品種もたくさんある。
  2. 原種のピクツムは、橙色の花を下向きに咲かせる、木立ち性の種類である。比較的耐寒性が強く、霜除け程度で越冬する。「黄斑アブチロン」と呼ばれる「トンプソニー」が有名。
  3. 原種メガポタミクムはブラジル南部原産。赤いガクと黄色い花の組み合わせが、釣り具のウキを思わせる。半つる性の種類で、細い枝が弓のように長く伸びて枝垂れる。かなりの耐寒性があり、よほどの極寒地でない限り、庭木にできる。つるがあまり伸びない園芸品種もある。
  4. 近年、矮性の品種を見かけるようになった。タネから育てられる木立性の系統で、花付きが非常によい。
  5. 「ベラ」などの実生系品種は、よくタネができる。そのため、知らない間に、実生苗が勝手に生えてくることがある。
  6. 夏に小さな黄色い花を咲かせる雑草のイチビも、同じ属の植物である。これは一年草。かなりタチの悪い帰化植物なので、早めに抜いたほうがよい。

注意点・病害虫

  1. ある日突然、立枯病が発生し、株ごと枯れることがある。根を傷付けないよう注意し、水はけが良く、有機物(堆肥など)の少ない、清潔な土に植え込むとよい。夏場は特に注意が必要。
  2. 害虫は、アブラムシやハダニ、ハマキムシが付きやすい。

(※データ:大阪市基準)