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素人園芸解説 -私はこう育てる-

カーネーション

イメージ

原産地

地中海沿岸・ヨーロッパ南部・西アジア

ナデシコ科

高さ

20~100cm(種類による)

花期

3~7月・9~11月(種類による)

形態

多年草

別名等

ダイアンサス・カリオフィルス(学名)/オランダセキチク/阿蘭陀石竹/ジャコウナデシコ/麝香撫子/アンジャベル/クローブピンク/クローブカーネーション


ミニカーネーション/マイクロカーネーション(いずれも矮性品種の総称)

日照

3月下旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】花や葉に水をかけたり、雨に当てたりしない。

肥料

3月上旬~5月下旬と、9月中旬~11月上旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

植え替え

花後すぐ~6月下旬か、9月下旬~10月下旬。

【補足】深植えは禁物。

整姿

花後すぐ、1/3~1/2に切り戻すが、必ず腋芽を残しながら切る。高性品種は茎が倒れやすいので、支柱を立てる。
病気の元なので、花がらや枯れ葉などは、まめに取る。

繁殖

【挿し芽】4月下旬~6月上旬か、9月下旬~10月中旬。

【タネまき】3月下旬~5月上旬か、9月中旬~10月中旬。

耐暑性

わりと強い。

耐寒性

最低0℃を保つとよい。

【補足】高温にあわせない。

解説

  1. ナデシコ属の植物のうち、原種のカリオフィルスを中心に改良された園芸品種群を「カーネーション」と総称する。れっきとしたナデシコの一種だが、園芸上は別物として扱う。母の日ギフトの定番。
  2. 春と秋に咲く四季咲き性の品種と、初夏しか咲かない一季咲きの品種がある。よく出回っているのは四季咲き性のほう。
  3. 四季咲き性の品種は、さらに、切花用の高性品種と、鉢花用の矮性品種に分かれる。
    • 高性品種…もっぱら温室用で、性質が強いとはいえず、一般家庭での栽培には向かない。
    • 矮性品種…ガーデンカーネーションやミニカーネーションがあり、寒さに強く(-10℃)、丈夫で栽培しやすい。タネから殖やす「実生系」の品種と、挿し芽で殖やす「栄養系」の品種がある。栄養系品種のほうが一般的。
  4. 矮性品種の改良には、原種カリオフィルスだけでなく、黄花を咲かせる原種のクナッピーや、セキチクなども関与しているらしい。
  5. 原種のカリオフィルス自体も、「クローブピンク」「クローブカーネーション」の名で出回ることがある。一季咲きで、花の香りがとても良く、古くからハーブとして知られる。楚々とした一重咲きの花は、濃紅色で美しい。
  6. 一茎一花の品種の他に、一茎に多数の花を咲かせる「スプレー咲き」の品種もある。近年、切り花では、後者が多くなった。

注意点・病害虫

  1. 高温多湿を嫌うため、鉢植えにし、雨よけ下で栽培する。矮性品種のほうが丈夫で育てやすい。
  2. 古い株は夏に枯れやすい。毎年、花後すぐに挿し芽を行い、株を更新するとよい。
  3. 花弁が多い品種は、花のガクの部分が裂けて花型が乱れる、「がく割れ」という現象を起こすことがある。
  4. 他のナデシコ類に比べ、やや病気に弱い。高温期に過湿にしたり、雨に当てたりすると、萎凋病や立枯病、斑点細菌病などが発生し、株を処分する羽目になる。ウイルス病にも弱い。
  5. 害虫は、アブラムシやスリップス、ハダニ、ヨトウムシが付きやすい。なお、乳剤を散布すると、茎葉の表面を覆うワックス状物質が溶けてしまうため、水溶剤や水和剤のような、有機溶剤を含まない薬剤を使った方がよい。
  6. やや砂質の土を好む。
  7. 犬猫が食べると中毒を起こす。

余談

  1. 切り花としては、キクに次いで第二位の消費量を誇る。特に、母の日がある5月に消費が多い。

(※データ:大阪市基準)