クンシラン
イメージ
原産地
南アフリカのケープ州・トランスバール州・ナタール州
科
ヒガンバナ科
高さ
20~80cm(種類による)
花期
3~5月
形態
多年草
別名等
クリビア・ミニアタ(学名)/君子蘭/ウケザキクンシラン/受咲君子蘭/ハナラン/ナタールリリー/ブッシュリリー
キバナクンシラン/黄花君子蘭(ミニアタ変種シトリナ)
クンシラン/君子蘭(ノビリス)
ダルマクンシラン/達磨君子蘭(ダルマ系品種の総称)
日照
3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外で0~30%遮光(7月下旬~9月上旬は50~70%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。
【補足】葉の合わせ目に水がたまると、そこから腐ることがある
肥料
3月下旬~7月中旬と、9月上旬~10月下旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。
【補足】秋の施肥は、窒素(N)を控えめにする。
植え替え
花後すぐ~6月上旬か、9月中旬~10月中旬
【補足】2~3年に一度行う。腐った根は取り、生きた根は切らない。
整姿
頻繁に鉢を移動させると、葉の方向がばらばらになるので、一度決めたらなるべく動かさない。
繁殖
【株分け】植え替えと同時期。
【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して3~4月にまく(開花まで4~6年かかる)。
耐暑性
強いが、強光に注意。
耐寒性
0℃まで耐えるが、最低5℃を保つ。
【補足】高温にあわせない。
解説
- クリビア属にはいくつかの原種があるが、一般的なのは、葉幅が狭く、筒状の花が下向きに咲くノビリスと、葉幅が広く、花が上向きに咲くミニアタの二種類である。
- 園芸上は、単に「クンシラン」というと、ミニアタ系の園芸品種群のことを指す。しかし、「クンシラン」という名は本来、原種ノビリスの和名である。正式な「クンシラン」であるノビリスより、花が上向きに咲くミニアタの方が人気が出たため、名前を奪われたらしい。
- その他の原種には、オーレアやストリアタなどがある。キルタンシフローラは、ノビリスとミニアタの交雑種。
- ミニアタ系の品種はかなり多く、花色は、橙~赤、黄、桃、アプリコットなどがある。花の形は、株によっていろいろで、剣弁(細くとがった花弁)から丸弁(幅広で丸みを帯びた花弁)まである。
- 斑入り葉の品種も多数あるが、クンシランの斑は不安定で、しばしば先祖返りを起こし、緑一色の葉に戻ったりする。
- かなり大型の草だが、幅広の短い葉を持つ「ダルマ系」と呼ばれる品種群は、あまり場所を取らない。「姫ダルマ」は、普通のダルマ系より、さらに小型。
注意点・病害虫
- 品種によるが、花芽が作られるには、葉が10~18枚以上必要らしい。
- 寒さに弱いとはいえ、5~8℃の低温に1ヵ月半ほど当てないと、春になっても花茎が伸びないので、過保護にしない。急いで入室すると、花が咲かなかったり、花茎が伸びず、葉の合わせ目の中で咲いてしまったりする。
- 自分の花粉では結実しにくいため、タネを採りたければ、二株以上用意したほうがよい。実生苗は、開花まで4~6年(早生種は2年)ほどかかる。タネから育てた株は、花色や花型、葉の形などに、面白い変異を起こすことが多い。
- 表面が橙色を帯びたタネをまけば、橙~赤色の花を咲かせる株が育ち、色の薄い、黄色っぽいタネをまけば、黄色の花を咲かせる株が育つ傾向がある。また、タネの表面に斑があれば、斑入り葉の株に育つ可能性がある。
- 幼苗の頃に、株の地際部分が赤みを帯びていれば(「赤軸」という)、橙~赤色系の花が咲く株に育ち、赤みのない緑色をしていれば(「青軸」という)、黄色系の花が咲く株に育つようである。
- 根が非常に太く、成株では直径1cmを超える。この根は空気に触れるのを好むため、粒の粗い用土を使えば機嫌よく育つ。クンシラン専用土も市販されている。
- ヒガンバナ科植物であるため、人によっては、汁液に触れるとかぶれる。口に入れるのも禁止。
(※データ:大阪市基準)