いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ダツラ

イメージ

原産地

中国南部~インド・熱帯アジア・北アメリカ南部~メキシコ北部

ナス科

高さ

40~150cm(種類による)

花期

6~10月

形態

多年草または一年草

別名等

ダチュラ/キチガイナスビ/エンジェルストランペット


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

4月上旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(酷暑期は西日を避ける)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】葉が大きいので、水切れしやすい。

肥料

4月中旬~10月上旬に、7~10日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。

【補足】肥料が切れると開花も途切れる。

植え替え

4月上旬~10月上旬。

整姿

伸び過ぎれば、生育期に適宜切り戻す(酷暑期は避けたほうがよい)。

繁殖

【挿し木】5月上旬~10月上旬。

【タネまき】4月下旬~7月上旬。

耐暑性

強い。

耐寒性

最低5℃を保つ。

解説

  1. 「エンジェルストランペット」の名で出回る植物には、低木に育つ「木立チョウセンアサガオ」と、草本性の「チョウセンアサガオ」の二種類がある。この二つは近縁だが属が異なり、前者はブルグマンシア属、後者はダツラ属である。ここで取り上げているのは、後者のダツラのほう。
  2. 木立チョウセンアサガオ(ブルグマンシア)との違いは、「木ではなく草である」「やや草丈が低い」「花が上向きに咲く」「果実が丸くトゲだらけ」「花色に青紫~紫色が存在する」などが挙げられる。
  3. 主な種類は、原種のチョウセンアサガオ、ケチョウセンアサガオ、洋種チョウセンアサガオなど。春まき一年草として扱われるが、本来は多年草。花には芳香がある。
  4. 代表種のチョウセンアサガオは中国南部~インド原産。花色は、白、黄、紫、青紫などがある。華やかな八重咲き品種もある。「曼荼羅華」の別名でも知られる。
  5. ケチョウセンアサガオは、北アメリカ南西部原産で、名前の通り、茎葉に白い軟毛があり、手触りがよい。耐寒性が強く、0℃くらいまで耐える。
  6. この仲間は、日本各地に帰化がみられる。

注意点・病害虫

  1. 葉が大きい上に、生長が早く、大きく育つため、なるべく大きな鉢に植えないと水切れしやすい。
  2. ハダニが付きやすいので、葉裏に水をかけて防除する。ウイルス病にもかかりやすい。
  3. 有名な有毒植物である。誤って摂取すると、重篤な中毒症状が出る。摂取量が多いと、せん妄や異常行動を伴うため、「キチガイナスビ」という別名まで付けられている。劇薬であるため、興味本位で手を出さない。植物の汁液がついた手で、目などに触れるのも禁止。

余談

  1. 危険な毒草とはいえ、「毒も薬」というように、薬用に使うこともできる。江戸時代、華岡青洲が乳ガンの手術をする際、チョウセンアサガオを全身麻酔薬(「通仙散」)として使った話は非常に有名。また、洋種チョウセンアサガオも、生薬として、鎮痛などに用いられる。

各種の和名・異名

  1. メテロイデス(異名)/ケチョウセンアサガオ/毛朝鮮朝顔/アメリカチョウセンアサガオ/ダウニーソーンアップル(いずれもインノクシア)
  2. ヨウシュチョウセンアサガオ/洋種朝鮮朝顔(ストラモニウム)
  3. シロバナチョウセンアサガオ/白花朝鮮朝顔/シロバナヨウシュチョウセンアサガオ/白花洋種朝鮮朝顔(いずれもストラモニウム変種キャリベア)
  4. ツノミチョウセンアサガオ/角実朝鮮朝顔/オニチョウセンアサガオ/鬼朝鮮朝顔(いずれもフェロックス)
  5. チョウセンアサガオ/朝鮮朝顔/マンダラゲ/曼荼羅華/ホーン・オブ・プレンティ(いずれもメテル)

(※データ:大阪市基準)