いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

ナスタチウム

イメージ

原産地

チリ・ペルー・メキシコ・ボリビア・コロンビア

ノウゼンハレン科

高さ

20~300cm(つる性)

花期

4~7月・10~11月

形態

多年草

別名等

トロパエオルム・マジュス(学名)/キンレンカ/金蓮花/ノウゼンハレン/ナスターチウム/ナスターシャム/ナスターチューム/インディアンクレス/イタリアンクレス/ガーデンナスタチウム


フレームクリーパー/フレームナスタチウム(いずれもスペシオスム)
トリコロール(トリコロルムの異名)
カナリエンシス(異名)/カナリアヅル/カナリークリーパー(いずれもペレグリヌム)

日照

4月上旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。越冬中は、ごく控えめに。

肥料

4月上旬~6月中旬と、9月中旬~10月中旬に、少量の固形肥料を置き肥、または二週間に一度の液肥。

【補足】花をたくさん咲かせたければ「リン酸(P)」を、葉をたくさん収穫したければ「窒素(N)」を多めに施す。多肥にしすぎると開花しない。

植え替え

4月上旬~5月下旬か、9月下旬~10月中旬。

【補足】移植を好まないので、なるべく根を傷めない。

整姿

梅雨入り前に、長さ20cm程度に切り戻しておく。

繁殖

【挿し芽】4月下旬~6月上旬か、9月中旬~10月中旬。

【取り木】4月下旬~7月下旬(若いつるの途中を土に埋め、発根させる)。

【タネまき】3月下旬~5月下旬か、9月中旬~10月下旬。(嫌光性のため、必ず覆土する。一晩水に浸け、種皮に傷をつけてからまく。)

耐暑性

弱い。

耐寒性

最低5℃を保つとよい。

解説

  1. 鮮やかな原色の花を咲かせ、ハスのような丸い葉を持つ、個性的な植物である。花色は、黄色~橙色・朱赤色などがある。八重咲き種や、葉に斑が入る品種もある。
  2. 種類によっては、つるが数mにも達する。しかし、一般的に流通しているのは、つるが短く、形よく茂る、矮性品種である。吊り鉢に仕立てるとよい。
  3. トロパエオルム属には、観賞専用の種類もある。例えば、スペシオスムは、ナスタチウム(マジュス)に似るが、葉が5枚に裂ける。花色は真っ赤。よく似たポリフィルムもほふく性で、花色は黄色。
  4. 地下に塊茎を持つ球根性の種類もある。ツベロスムは球根性の原種で、葉に4箇所、深い切れ込みが入る。こちらの花色は黄~橙色。育てにくいらしい。

注意点・病害虫

  1. 多年草だが、寿命が短めなうえ、暑さに弱い。暖地では、夏越し中に傷みやすいため、一年草扱いしてもよい。耐寒性はそれなりに強く、暖地なら戸外で越冬できる。

余談

  1. 葉・花・つぼみ・未熟なタネが食用になる。やや青臭いが、クレソン(オランダガラシ)に似た辛味があり、サラダやサンドイッチによい。肉料理の付けあわせにもできる。なお、「ナスタチウム」という名は、正しくはクレソンの属名である。食味が似るため、この名で呼ばれるようになったらしい。
  2. 属名の「トロパエオルム」は、「戦勝記念トロフィー」を意味する。花が兜、葉が盾に似るためらしい。

(※データ:大阪市基準)