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素人園芸解説 -私はこう育てる-

ゼラニウム

イメージ

原産地

南アフリカのケープ地方

フウロソウ科

高さ

30~120cm(種類による)

花期

3~12月

形態

常緑半低木

別名等

ペラルゴニウム(属名)/ゼラニューム/ゲラニウム/ストークスビル


ファンシーリーフゼラニウム/葉変葵(いずれも変わり葉品種の総称)
モミジバゼラニウム(モミジ葉系品種の総称)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。

【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てないと花付きが悪くなる。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。

【補足】病気のもとなので、なるべく雨に当てない。

肥料

3月下旬~7月上旬と、9月上旬~11月上旬に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥(多肥にしすぎない)。

【補足】カリ(K)をやや多めに与える。

植え替え

4月上旬~6月上旬か、9月上旬~10月下旬(春のほうがよい)。

【補足】なるべく毎年行う。

整姿

生育期間中、伸びる枝を摘芯していくと、伸びすぎずに形良く茂る。伸びすぎたら、3月か7月に、やや強めに切り戻しておく。(必ず、葉か腋芽を残しながら切らないと、枝が枯れこむ)。
病気のもとなので、枯れた下葉や花がらはまめに取り除く。

繁殖

【挿し木】4月下旬~6月下旬か、9月上旬~10月中旬。(水挿しも可能。挿し穂には、花の咲いたことのない若い枝を用いる。挿す前に切り口を一晩乾かしておくと、腐りにくい。)

【タネまき】4月中旬~6月上旬か、9月上旬~10月中旬。

耐暑性

わりと強いが、蒸れに注意。

耐寒性

0℃でも耐えるが、最低3℃を保つ。

【補足】変わり葉品種や黄花品種は、最低5℃を保ったほうがよい。いずれも、高温にあわせない。

解説

  1. 古くからよく見かける、鉢花の定番中の定番である。丈夫で育てやすく、花期も長いが、触ると異臭がするのが困りもの。
  2. 「ゼラニウム」の名は、昔、ゲラニウム属(フウロソウ属)に分類されていた頃の名残である。現在はペラルゴニウム属に属する。この属の植物は、茎葉がやや多肉質で、何らかの香気・臭気を持つのが特徴。
  3. ひと口にゼラニウムと言っても、いくつかの系統に分かれる。
    • ゾナレ系(ゾナレ・ハイブリッド)…原種のゾナレやインクイナンスなどから改良された園芸品種群。四季咲き。ゼラニウムの主流。
      • ファンシーリーフ系…斑入りなど、変わった葉を持つ園芸品種群。
      • ステラーゾナレ系…モミジのような葉を持つ品種群。
    • アイビーリーフ系(ペルタツム・ハイブリッド)…原種のペルタツムやラテリペスから改良された園芸品種群。四季咲き。茎が長く伸びて枝垂れる。「アイビーゼラニウム」の名で知られる。
    • リーガル系(グランディフロルム・ハイブリッド)…原種のククラツムやグランディフロルムから改良された園芸品種群。一季咲き。「ペラルゴニウム」の名で流通しており、園芸上は、ゼラニウムとは別ものとして扱う。
    • ニオイゼラニウム(センテッドゼラニウム)…香気に優れ、香料用に栽培される原種および園芸品種群。一季咲き。別ページで解説済み。
    • その他…エンジェルスティックやパンジーゼラニウムなどの原種。ややクセがある。
  4. 単に「ゼラニウム」というと、ゾナレ系を指す。主に挿し木で殖やす栄養系品種と、タネから殖やす実生系品種があり、後者のほうが主流。
  5. とても品種が多く、半八重咲き種や星咲き種などの他、変わり葉を持つファンシーリーフ系もよく出回っている。ファンシーリーフ系には、斑入り葉の品種や、葉が赤銅色の品種がある。葉の形が面白いステラーゾナレ系の品種も人気がある。これらの品種は、普通のゼラニウムに比べ、やや性質が弱い。
  6. 最近は、黄花の品種や、豪華な八重咲き品種も出回るようになった。これらは少々デリケートであるため、従来のゾナレ系より丁寧な世話を心がける。特に、過湿に注意。
  7. 従来からあるゾナレ系は、暖地なら地植えが可能。かなり見応えのある大株に育つ。日当たりのよい、乾き気味のやせ地に植える。
  8. アイビーリーフ系のゼラニウムは、アイビーに似た葉を付ける。茎がほふくするため、吊り鉢に向く。ゼラニウムほど品種は多くないが、八重咲き種や斑入り葉の品種がある。やや耐暑性に欠け、夏に蒸れると枯れ込むので、風通しに気を付ける。ゾナレ系ゼラニウムより日照不足に弱い。
  9. リーガル系のペラルゴニウムは、4~6月に開花する、一季咲きの種類である。花が大きく華やかで、茎葉の異臭もない。育て方はゼラニウムに準じるが、やや耐暑性・耐寒性に欠ける。10℃以下の低温に1ヵ月ほどあった後、長日条件になると、花芽を分化する性質がある。こちらも園芸品種が多い。
  10. ペラルゴニウム属のうち、茎葉に優れた香りを持ち、香料を採取する系統は、「ニオイゼラニウム」「ハーブゼラニウム」「センテッドゼラニウム」などと呼ばれ、ハーブとして扱われる。別ページで解説済み。
  11. 最近人気の「パンジーゼラニウム」も、ペラルゴニウム属の仲間である。パンジーを思わせる美しい花と、白銀色を帯びた葉が魅力。しかし気難しく、過湿で根が傷んだり、植え替えや切り戻しなどでダメージを受けると、簡単に枯れる。おまけに、夏の高温・冬の低温の両方に弱い。夏と冬以外は風通しの良い日向に置き、一貫して水と肥料を控えめにし、放任気味に管理する。
  12. ペラルゴニウム属には、一部、茎が木のように肥大し、多肉植物として扱われる種類がある。奇異な草姿だが、栽培は容易。アンチディセンテリカム、インクラッサツム、エキナツム、オブロンガツム、カルノサム、キセロフィトン、クラッシカウレ、クリングハルテンセ、コチレドニス、コルツシフォリウム、トリステ、ネフロフィルム、ミラビレなどが該当する。
  13. このうちインクラッサツム、オブロンガツム、ネフロフィルムは、地下に球根を作る種類である。インクラッサツムは最近、「エンジェルスティック」という名前で売り出されている。

注意点・病害虫

  1. 多くが四季咲き性のため、真夏と真冬以外ほぼ一年中、花が咲いては散り、周囲を散らかす。花びらが葉の上に落ち、雨などでそのまま張り付くと、そこから腐って病気が発生するので、清潔を心がける。
  2. 夏になると、緑色の抜けた白っぽい葉がよく出るが、単なる夏バテなので気にしない。(高温で根の活動が低下したことに起因する、微量要素の欠乏症状らしい。)秋になって涼しくなれば、改めて緑色の葉が出る。なお、熱帯夜の続かない涼しい地域では、この現象は起きない。
  3. ややアルカリ性の土を好む。
  4. 花後、花がらをそのままにしておくと、結実してタネができる。タネの寿命が短めなので、まく場合は、採ってすぐにまく。市販のタネも、購入後は早めにまき切る。
  5. 不潔や過湿になるとボトリチス病や軟腐病が出る。また、ウイルス病にかかることもあるらしい。
  6. たまにイモムシやハマキムシが付き、葉や花をかじる。また、コナジラミやスリップスの被害を受けることもある。

余談

  1. 属名の「ペラルゴニウム」という名は、果実の形が、シュバシコウ(コウノトリの仲間で、ギリシャ語で『ペラルゴス』と呼ばれる)のクチバシに似るために付いたらしい。

各種の和名・異名

  1. エンジェルスティック(インクラッサツム)
  2. ペラルゴニウム/ナツザキテンジクアオイ/夏咲天竺葵/ファンシーゼラニウム/リーガルゼラニウム/リーガルペラルゴニウム(いずれもドメスティクム))(※人工交配種)
  3. ツタバゼラニウム/タテバゼラニウム/アイビーゼラニウム/アイビーリーブドペラルゴニウム(いずれもペルタツム)
  4. テンジクアオイ/天竺葵/モンテンジクアオイ/紋天竺葵/ゾナレゼラニウム/ゾナレペラルゴニウム(いずれもホルトルム)(※人工交配種)

(※データ:大阪市基準)