いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

エクメア

イメージ

原産地

ブラジル・南アメリカの熱帯

パイナップル科(またはブロメリア科)

高さ

10~100cm(種類による)

花期

5~9月

形態

多年草(着生植物)

別名等

エアパイン/ツブアナナス


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

4月下旬~10月下旬の生育期は、戸外で0~10%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

【補足】耐陰性があるが、なるべく日光に当てないと、葉色が悪くなる。

水やり

生育期は、株の中心部の筒に水をためておく。(水を与えるときは、筒の中の水が入れ替わるよう、頭からたっぷりとかける。)
越冬中は、筒の水を抜き、ときどき霧吹きをする。(霧吹きをしすぎると、筒に水がたまるので注意。)

【補足】越冬中も筒に水をためたままにすると、株が冷え、腐ってくる。夏季も、筒の中の水が高温になると株が傷むので、強い日光に当てない。

肥料

5~9月に、10~14日に一度の液肥(中心部の筒に液肥を入れる)。

植え替え

4月下旬~9月中旬。

整姿

特に無し。

繁殖

【株分け】5~9月。

耐暑性

とても強いが、強光に注意。

耐寒性

最低5℃を保つが、10℃あるほうがよい。

解説

  1. 「アナナス」「ブロメリア」などと総称される、パイナップル科観葉植物群の代表種である。エクメア属の植物は、どちらかというと大型の種類が多く、花と苞が美しいのが特徴。
  2. よく見かけるのは、大きな桃色の苞の中から青紫色の小花を咲かせるファスキアタである。園芸品種に、葉に覆輪斑が入る「アルボマルギナタ」、中斑の「バリエガタ」、葉の縁にトゲが無い「エンジェル(カワイ)」などがある。
  3. その他、ヴェイルバッキー、オーランディアナ、コーダタ、チャンティニー、チランジオイデス、フルゲンス、ミニアタ、レクルバタなどがある。チランジオイデスやレクルバタは、この仲間では草丈が低く、30cm前後。さらに、レクルバタの変種であるベンラシーとオルトギエシーは、草丈15cm前後にしかならない。

注意点・病害虫

  1. 春以降、よく日光に当てて栽培すると、葉の色が濃くなり、引き締まった、よい株に育つ。ただし、夏の日光だけは避ける。
  2. 一部の種類を除き、葉の縁にたくさんのトゲがあるので、扱いに注意する。
  3. アナナス類の多くは、葉の基部が筒状になっており、そこに水を溜めて吸収するため、水やりも、筒の中に行う。
  4. この仲間の多くは、やや寒さに弱い。が、ガモセパラやレクルバタのように、0℃近くでも耐えられる、耐寒性の強い種類も存在する。
  5. ファスキアタは、葉10枚程度まで育てば、4~7月まで毎日短日処理をすることで、秋に開花させられるという。夕方早くに、株に段ボール箱などを被せて暗黒状態にし、朝、遅めに外すことを毎日繰り返す。暗期(株を暗闇にあわせる時間)の長さは、一日に付き約16時間が目安。
  6. アナナス類の特性として、一度花の咲いた株からは、二度と咲かない。しかし、株元から子株が出るので、これを育てれば、1~3年後にまた開花する。親株は、子株が育つにつれて弱り、枯れてしまう。
  7. 子株の葉が3~4枚になったら、根元から切り取り、親株から独立させることができる。この時、できる限り親株に近い部分で切る。
  8. 着生植物なので、植え込む用土は通気性・水はけのよいものを。洋蘭専用土や水ゴケなどが適する。
  9. 病虫害はあまりないが、ウイルス病にかかることがあるらしい。

各種の和名・異名

  1. ウェイルバッキー/ウェイルバッヒー/ヴァイルバッヒー(いずれもヴェイルバッキー)
  2. オイデス(チランジオイデス)
  3. フイリオイデス(チランジオイデス「バリエガタ」)
  4. ビルベルギア・ロードシアネア(異名)/ファッシアータ/シマサンゴアナナス(いずれもファスキアタ)
  5. サンゴアナナス/コーラルベリー(いずれもフルゲンス)
  6. フイリウラベニサンゴアナナス(フルゲンス「ディスコロール」)
  7. トックリアナナス(レクルバタ)

(※データ:大阪市基準)