アイビー
イメージ
原産地
東アジア~ヨーロッパ・北アフリカ・ロシア・カナリア諸島・マデイラ諸島
科
ウコギ科
高さ
1~10m(つる性)
花期
10~11月
【結実】4~5月
形態
常緑つる性~半つる性木本
別名等
ヘデラ・へリックス亜種ヘリックス(学名)/セイヨウキヅタ/西洋木蔦/コモンアイビー/イングリッシュアイビー/コモンイングリッシュアイビー
(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。
越冬中は、室内の日当たり(暖地なら戸外で霜除け)。
【補足】耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。
肥料
4~5月、7月、9月に、固形肥料の置き肥。
【補足】多肥にすると茂りすぎる。
植え替え
3月上旬~7月上旬か、9月上旬~10月下旬。
整姿
伸びすぎれば、春か秋に適宜切り戻す。
繁殖
【挿し木】4月下旬~7月上旬か、9月上旬~10月中旬。
【取り木】4月下旬~7月下旬(若いつるの途中を土に埋め、発根させる)。
耐暑性
強いが、蒸れると枯れやすい。
耐寒性
わりと強い(-10℃)が、極寒地では室内へ。
解説
- 北海道南部以南に自生するキヅタと同属の植物である。最もよく見かける種類は、ヘデラ・ヘリックス亜種ヘリックスで、単に「アイビー」といえば、これを指す。園芸品種がきわめて多く、葉の形や、斑の色・形などに、さまざまな変化がある。
- 大型種のオカメヅタは、暖地の壁面緑化などに使われている。こちらも斑入りの品種がある。
- ファトスヘデラ・リゼイは、ヘデラ・へリックスとヤツデの属間交配種で、両者の中間的な姿をしている。完全なつる性ではなく、半つる性。これも、斑入りの品種がある。
- 葉に白や黄色の斑が入るアイビーでは、斑の面積が広いほど性質が弱く、育てにくい傾向がある。また、最近よく見る変わり葉の品種(葉がカールしているなど)の中には、耐暑性の弱いものがある。
注意点・病害虫
- いずれの種類も、性質が強健で、暖地なら地植えが可能。つるの長さは、時に10m以上に達する。
- 斑入り葉の品種は、まれに、緑一色の葉が出ることがあるので、早めに摘み取る。放置すると、どんどん斑入り葉を駆逐し、最後には株全体の葉が緑一色になることがある。
- 若い木は、つるの途中から、たくさんの気根(付着根)を出し、塀などをよじ登る。水やりの際は、この気根にも水をかけてやる。老熟すると気根の発生が収まるらしい。
- 壁面などに這わせる場合は、気根がしっかり固着するまでツルを固定しておく。固着まで、およそ一年かかる。
- 耐寒性は品種によるが、-10℃くらいが限界。暖地でも、真冬は、寒さのために、葉が赤紫色を帯びる。春になれば緑色に戻るので心配はいらない。見苦しいと思うなら防寒する。
- いちおう有毒植物なので、口に入れない。汁液に触れるとかぶれることがある。
余談
- 落葉性のナツヅタやヘンリーヅタ、「シュガー・バイン」「グレープ・アイビー」「カンガルー・アイビー」などは、ブドウ科の植物で、アイビーとは何の関係もない、全くの別種である。また、「マーガレット・アイビー」は、キク科のつる性観葉植物である。
各種の和名・異名
- オカメヅタ/阿亀蔦/アオオカメヅタ/青阿亀蔦/カナリーキヅタ/カナリーアイビー/カナリーズアイビー/カナリーアイランドアイビー/アルジェリアンアイビー(いずれもカナリエンシス)
- アルゲリエンシス(異名)/アルジェリアンアイビー(いずれもカナリエンシス変種アルゲリエンシス)
- シロオカメヅタ/白阿亀蔦/フイリカナリーキヅタ(いずれもカナリエンシス「バリエガタ」)
- コルシカキヅタ/ペルシャンアイビー/コルキスアイビー(いずれもコルシカ)
- ツリーアイビー(コルシカ変種アルボレッセンス)
- ネパールアイビー(ネパレンシス)
- ヘリックス亜種ヒベルニカ/ヘリックス変種ヒベルニカ(いずれも異名)/アイリッシュアシビー/アトランティックアイビー(いずれもヒベルニカ)
- フイリセイヨウキヅタ/斑入り西洋木蔦(ヘリックス「アルゲンテオ-バリエガタ」)
- キヅタ/木蔦/フユヅタ/冬蔦/ジャパニーズアイビー(いずれもロンベア)
- フクリンキヅタ/覆輪木蔦(ロンベア「バリエガタ」)
ヘデラとは別属の種類。
- ハトス/ハトスヘデラ/ファッツヘデラ(いずれもファトスヘデラ・リゼイ)
(※データ:大阪市基準)