いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

サクララン

イメージ

原産地

日本(九州南部以南)・中国南部・タイ・ラオス・熱帯アジア・インド・オーストラリア・太平洋諸島

キョウチクトウ科(またはガガイモ科)

高さ

1~5m(つる性)

花期

6~9月

形態

常緑つる性~半つる性木本

別名等

ホヤ・カルノサ(学名)/桜蘭/ワックスプラント/ワックスフラワー


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

4月上旬~11月中旬の生育期は、戸外で0~30%遮光(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(葉が多肉質なので、乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに。

肥料

4月下旬~10月下旬に、固形肥料の置き肥、または10~14日に一度の液肥。

植え替え

4月上旬~10月上旬(酷暑期は避けたほうがよい)。

整姿

つるがよく伸びるので、生育期はしっかり誘引する。(新しく伸びたつるに開花する性質があり、しかも、かなり長く伸びないと開花しないので、なるべく切らない。)
一度開花した節からは、数年間花が咲き続けるので、これも切らない。

繁殖

【挿し木】4月下旬~10月上旬。(切り口から出る乳液を洗い流し、切り口を乾かしてから挿す。)

耐暑性

強いが、強光と過湿に注意。

耐寒性

【カルノサ、ベラ、ロンギフォリア】最低5℃を保つ。

【熱帯産の種類】最低10℃を保つとよい。

解説

  1. 最も一般的な種類は、つるが長く伸びるカルノサである。普通は「サクララン」といえば、この種類だけを指す。園芸品種が多く、斑入り葉の「エキゾティカ」「バリエガタ」、葉全体がねじれる「コンパクタ」、その斑入り品種「マウナ・ロア(中斑)」「レガリス(覆輪斑)」などが流通する。意外と耐寒性が強く、短時間なら0℃近くでも耐えるほど。
  2. 最近よく見る、葉がハート型の種類は、タイ~ラオス原産のカーリー(ケリー)である。こちらもつる性で、斑入り葉の園芸品種がある。しばしば、葉一枚だけの小さな鉢植えで売られている。寒さに弱い。
  3. カルノサによく似たアウストラリスは、名前の通りオーストラリア原産。花色は白で、中心部が赤い。フィリピン原産のマキシマも、カルノサに似る。花色は白。いずれも耐寒性が弱い。
  4. 熱帯アジア原産のムルチフローラは、つるが伸びない種類である。やや葉が薄く、白っぽい矢尻型の花が個性的。インド原産のベラも、つるが伸びずに節間が詰まり、茎が下垂する。
  5. シッキム原産のロンギフォリアは、葉がやたらと細長い種類。プルプレオフスカは、この仲間としては珍しく、濃赤色の花を咲かせる。
  6. かたまって咲く白~淡桃色の小花には、かすかな芳香がある。

注意点・病害虫

  1. つる性の種類は、つるが長く(最低でも1m以上)伸びないと開花しない。一度開花した株は、翌年以降も同じ場所から花が咲くので、剪定は極力避ける。
  2. つる性の種類は吊り鉢によいが、茎葉が多肉質な上、つるが非常に長いので、鉢が重くなる。毎年花が楽しめるほどの大株にしたければ、頑丈な吊り鉢を使うか、吊るのをやめてトレリスなどに這わせる。
  3. ヘゴ棒を立てて、つるを這わせることも可能。ただし、最初は気根(付着根)が少なく、茎がヘゴ棒に付きにくいので、針金などで仮留めしておく。年数が経てば、気根が出て、ヘゴ棒に密着するようになる。水やりの際は、ヘゴ棒にも水をかける。
  4. つるをほどいて誘引し直すと、葉が裏返しになることがあるが、数日後には元通り上を向くので、気にしない。
  5. カイガラムシやアブラムシがよく付く。ネグサレセンチュウにも弱い。

各種の和名・異名

  1. ダーウィニー(アウストラリスの異名)
  2. ケリイ/ケリー/シャムサクララン/ラブハート/ラブラブハート/ラブリーハート/ハーティーラヴィ/ワックスハート/バレンタインホヤ/スイートハート/スイートハートホヤ(いずれもカーリー)
  3. パクストニー/ランセオラタ亜種ベラ(いずれも異名)/ミニチュアワックスプラント(いずれもベラ)
  4. シューティングスター/天の川/彦星(いずれもムルチフローラ)

(※データ:大阪市基準)