いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

アルストロメリア

イメージ

原産地

チリ・ペルー・ブラジル・アルゼンチン・エクアドル・パラグアイ

ユリズイセン科(またはユリ科)

高さ

20~120cm(種類による)

花期

4~11月(種類によるが、4~6月が多い)

形態

秋植え球根

休眠期の管理

鉢のまま乾かすか、掘り上げて乾いた土に埋める

別名等

ユリスイセン/百合水仙/ユメユリソウ/インカノユリ/ペルーノユリ/ペルビアンリリー/リリー・オブ・ザ・インカ


オーランティアカ(オーレアの異名)
プシッタキナ(異名)/ユリスイセン/百合水仙(いずれもプルケラ)
ガイアナ(ペレグリナの異名)

日照

10月上旬~6月下旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。

【補足】常緑性種は、7月上旬~9月上旬は50%遮光する。少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。休眠期は、断水する。

【補足】常緑性種は、夏期も葉があるので、水やりを続ける。どの種類も、過湿になるとすぐ腐る。

肥料

秋の元肥の他、3~5月に、固形肥料の置き肥、または7~10日に一度の液肥。

植え替え

9月上旬~11月上旬、6~8号鉢に1球。

【補足】深さ5cm、地植えは深さ10cmで30cm間隔。2~3年に一度植え替える。

整姿

高性種は支柱を立てたほうがよい。

繁殖

【分球】植え付け時。

【タネまき】採ってすぐにまく(めったに結実しない)。

耐暑性

わりと強いが、できる限り涼しく過ごさせる。

耐寒性

わりと強い(-10~-15℃)が、寒地では防寒しないと傷む。

【ペレグリナ系、バタフライ系】最低0℃を保つ。


【補足】いずれも、高温にあわせない。

解説

  1. この仲間は、アメリカ中部~南アメリカの広範囲に自生しており、種類によって性質はさまざま。複数の原種をもとに、多くの園芸品種が作られている。基本的に冷涼乾燥した気候を好むが、生育は極めて旺盛。
  2. 品種改良が進んでおり、花色がとても豊富。斑入り葉の品種や、花に香りのある品種などもある。
  3. 花に独特な条斑(線状の斑点模様)があり、この仲間の大きな特徴となっている。が、最近は、この条斑が無いスポットレスタイプも人気がある。
  4. 大きく分けて、草丈の高い高性種と、草丈の低い矮性種がある。とはいえ、最近は、系統間の交配が進んでおり、系統ごとの性質の差違が無くなりつつある。
    • 高性種…草丈が高く、1m前後になる。耐寒性が強く、-10℃くらいまで耐える。花壇・切り花に向く。
      • オーランティアカ系…初夏~夏に咲く一季咲き。常緑性。
      • リグツ系…春~初夏に開花する一季咲き。耐暑性が弱く、夏に葉が枯れて休眠する。
    • 矮性種…草丈が低く、20~50cm程度。半耐寒性で、-5℃でアウト。鉢植え向き。
      • バタフライ系…春~秋まで開花する四季咲き。常緑性。
      • ペレグリナ系…春~初夏に開花する一季咲き。夏に葉が枯れて休眠する。
  5. 原種そのものの販売量も増えている。比較的出回り量の多いビオラセアは、夏に枯れて休眠するタイプ。その他、インカルナタやモデスタなども出回る。いずれも耐寒性は弱い。

注意点・病害虫

  1. 鉢植えは、できるだけ大きく深い鉢に植えるが、すぐに根詰まりを起こし、花が咲かなくなる。余裕があれば地植えにしたほうがよい。
  2. 花芽の形成に、13℃以下の低温が必要なので、越冬中も過保護にしない。ただ、この仲間は、種類によって、花芽形成・開花の条件が著しく異なるらしい。
  3. 多くが三倍体、四倍体であるため、花が咲いても結実することはない。
  4. ウイルス病にかかりやすい。葉にモザイク模様が入るなどした株は処分する。(もちろん、斑入り葉の品種は例外。)なお、葉が少しよじれているのは、この植物の特徴であって、病気ではない。

余談

  1. 切り花やアレンジメントでおなじみだが、葉が腐りやすいので、下葉を落として生ける。

(※データ:大阪市基準)