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素人園芸解説 -私はこう育てる-

アマリリス

イメージ

原産地

南アメリカ~中央アメリカ・西インド諸島

ヒガンバナ科

高さ

10~90cm(種類による)

花期

4~6月

形態

春植え球根

休眠期の管理

鉢のまま控えめに水やりを続ける

別名等

ヒッペアストルム(属名)/ナイツスターリリー/バルバドスリリー


テーブルアマリリス(グラシリス系品種の総称)
更紗(江戸時代に渡来した在来系品種の俗称)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

3月下旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。
越冬中は、室内の日当たり。(暖地なら戸外で霜除け。葉がなければ日光に当てなくてよい。)

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、ごく控えめに(葉がなければ断水する)。

【補足】花や葉に水をかけると、病気になりやすい。

肥料

花後すぐ~7月上旬と、9月上旬~10月上旬に、10~14日に一度の液肥、加えて、5月と、9月に、固形肥料の置き肥。

植え替え

3月上旬~4月下旬、6号鉢に1球(中輪~小輪系は4~5号鉢に1球)。

【補足】球根の上部が出るよう浅植え、地植えは20~40cm間隔。3年に一度植え替える。
ルドウィッヒ系の大輪品種は性質が弱いため、地植えしない方がよい。

整姿

病気の元なので、枯れた下葉はまめにとる。

繁殖

【分球】植え付け時。

【タネまき】採ってすぐにまく(覆土はタネが飛ばない程度に薄くする。発芽まで約半月かかる)。

【鱗片挿し】6~7月。(球根の鱗片をはがし、発根部を付けて切り分け、清潔な用土に挿せば、半年ほどで子球ができるので、そのまま育てる。)

【カッティング・ツインスケーリング】7~8月。(カッティングは、球根を縦に切り分け、発根部を付けた状態で、清潔な土に植え付けて子球を発生させる。ツインスケーリングは、球根を縦に切り分け、発根部を付けて鱗片を二枚ずつ外し、清潔な土に植え付けて子球を発生させる。)

耐暑性

わりと強いが、強光に注意。

耐寒性

最低3℃を保つ。

【巨大輪~大輪系】最低10℃を保つとよい。

解説

  1. 一般的には「アマリリス」の名前で呼ばれるが、現在はアマリリス属の植物ではなく、ヒッペアストルム属に属する。なお、本物のアマリリス属の植物は、夏植え球根のアマリリス・ベラドンナ(ベラドンナリリー)とアマリリス・パラディシコラの二種類しか存在しない。
  2. 人気の植物だけに、非常に交配が進んでおり、とても品種が多い。主流は、花が大きく豪華な巨大輪~大輪系の品種群である。原種のパルディヌムやレオポルディーなどを元にオランダで改良されたもので、「ルドウィッヒ系」と総称される。八重咲き種もある。球根を小鉢に植えて箱詰めした、オランダからの輸入品がよく出回っており、水を与えるだけで豪華な花が楽しめる。
  3. 中輪系には、花に網目模様が入る昔ながらの在来種(更紗)や、コモス系品種、原種のグリーンアマリリスやシロスジアマリリスなどがある。シロスジアマリリスは秋咲き。なお、近年は、中輪~小輪系の品種が急激に増えており、選択の幅が広がりつつある。
  4. 小輪系は、多花性のグラシリス系品種と、原種のブルメナビアが代表的。ブルメナビアは非常に小型で、草丈が10~15cm程度しかない。そのため、「ミニアマリリス」の名で知られるが、最近、アマリリスとは別の属に移されたらしい。
  5. 巨大輪~大輪系は、球根も非常に大きく、中輪~小輪系の球根は小さい。
  6. 原種のアマリリスは、改良の進んだ園芸品種に比べ、花付きが悪い。球根の値段も高い。

注意点・病害虫

  1. 本来は常緑の多年草で、冬でも最低13℃以上の温度があれば、休眠せずに生長を続ける。一般家庭では、休眠状態で越冬させたほうが楽だが、毎年花を楽しみたければ、常緑のまま越冬させる。耐寒性は種類によって異なり、中~小輪系には、0℃前後でも常緑を保つものがある。
  2. 一度植え付けたら、3~4年ほど植えっ放しにする。中~小輪系の品種は、暖地なら地植えで放任できる。巨大輪~大輪系の品種は、やや寒さに弱いので鉢植えにし、冬は室内に取り込む。
  3. 気温20℃前後で、葉が4枚できるごとに、花芽が1つ作られるらしい。しかし、その花芽が開花するのは、一年以上経過してから。しかも、途中で枯れてしまうことが多いらしく、実際には、そんなに頻繁に花が咲くことはない。
  4. 裸の球根を買う場合は、根を観察し、生きた根が多いものを選ぶ。また、春植え球根類は、あまり大きさを気にしなくてもよい種類が多いが、アマリリスは例外で、大きい球根ほど良い。
  5. 輸入品の鉢植えは、花後、気温が上がってきたら、必ず大きめの鉢に植え替える。この時、根を傷付けないよう注意。
  6. 根が足りない球根は、まず花が咲き、その後、葉が出てくる。十分に根が張った球根は、葉が茂っている状態で花が咲く。輸入品の鉢植えは、健全な根がほとんどないことが多いので、花が先に出てくるが、これを大きな鉢に植え替えて肥培し、冬も休眠させずに育てると、翌年からは、葉のある状態で花が咲く。
  7. やや砂質の、ジャリジャリした土でよく育つ。
  8. ウイルス病にかかると、花や葉に不規則な縞模様が入ったり、萎縮したりする。他の植物に伝染する前に処分する。また、土中の水分が多くなると、葉や球根の表面に赤褐色の斑点ができる赤斑病が出やすい。
  9. いちおう有毒植物なので、口に入れたりしない。

余談

  1. 切り花の水あげはよい。

各種の和名・異名

  1. モレリアヌム(アウリクムの異名)
  2. ロドフィアラ・アドベナ(アドベヌムの異名)
  3. グリーンアマリリス(カプリトゥラタ)
  4. ルティルム(ストリアツムの異名)
  5. バタフライアマリリス(パピリオ)
  6. キンサンジコ/金山慈姑(プニセウム)
  7. ミニアマリリス(ブルメナビア)
  8. ワースレヤ・レイネリ(プロセルムの異名)
  9. ジャガタラスイセン(レギナエ)
  10. シロスジアマリリス(レティクラツム変種ストリアティフォリウム)

(※データ:大阪市基準)