アネモネ
イメージ
原産地
地中海沿岸~中東・ヨーロッパ南部
科
キンポウゲ科
高さ
5~60cm(種類による)
花期
2~5月(種類による)
形態
秋植え球根
休眠期の管理
鉢のまま乾かす
別名等
アネモネ・コロナリア(学名)/ハナイチゲ/花一華/ボタンイチゲ/牡丹一華/ベニバナオキナグサ/紅花翁草/ポピーアネモネ/スパニッシュマリーゴールド
ハナアネモネ(ブランダ)
日照
10月中旬~5月下旬の生育期は、戸外の直射日光下。
休眠期は、日光に当てなくてよい。
【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。休眠期は、断水する。
【補足】腐りやすいので、多湿に注意。
肥料
秋の元肥の他、12~5月に、7~10日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。
【ブランダ】花後すぐ~5月下旬に、7~10日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。
植え替え
10月中旬~12月上旬(地温が15℃程度に下がった頃)、5号鉢に2~3球。
【補足】深さ1~3cm、地植えは深さ5cmで10~20cm間隔。1~2年に一度植え替える。
湿らせた清潔な土に仮植えし、芽出ししてから植えると安全。球根の上下を間違えないよう注意。
整姿
風で倒れることがあるので、支柱を立てるとよい。
繁殖
【分球】植え付け時(吸水してふくらんだ球根を、刃物で切り分ける)。
【タネまき】10~11月か、3~4月(発芽適温が15℃前後と低いので、高温期にまかない)。
耐暑性
やや弱い。
耐寒性
強いが、強く凍らせない。
【補足】高温にあわせない。
解説
- 日本に自生するイチリンソウやイチゲの仲間と同属の植物である。ただし、園芸上、「アネモネ」の名で呼ばれるのは、交雑種コロナリアの血を引く園芸品種群である。 なお、コロナリアは、原種のパボニナやホルテンシス、両者の交雑種フルゲンスなどの血を引く、さらに複雑な交雑種であるらしい。
- 主な品種に、切り花用の「デ・カーン(ド・カーン)」、矮性の「ポルト」、キクのような花を咲かせる八重咲きの「モナーク」などの他、「セント・ブリジッド」「モナ・リザ」などがある。花色は豊富で、派手な原色系が多い。
- コロナリア系以外のアネモネは、原種パボニナ、ホルテンシス、交雑種フルゲンスなどが少量出回り、同様に育てられる。
- 最近は、小輪のブランダも人気がある。従来は山野草扱いされていた小型種で、コギクのような可愛い花を咲かせ、楚々とした風情がある。花色も優しい色合いが多い。鉢植えやロックガーデン向き。こちらは毎年掘り上げず、2~3年植えっ放しにする。掘り上げた場合は、乾燥保存せず、すぐに植え付ける。寒さに強く(-30℃)、寒地向き。暖地では育てにくい。
- キンポウゲ科植物なので、花弁のように見える部分は、正確にはガク片である。
注意点・病害虫
- この仲間は、水はけと地温(15℃程度を好む)にうるさく、すぐに球根が腐る。20℃以上の高温が続くと、葉を枯らして休眠に入ろうとする。生育適温は10~15℃の範囲。
- ブランダの球根は特に腐りやすい。できれば、植え付け前に芽出し作業をしておく。夏越しも難しく、とかく失敗しやすいので、一年草扱いと割り切ったほうが楽。なお、青花を咲かせる品種は比較的育てやすいらしい。
- 市販の球根は、干からびているように見えるが、これを湿った清潔な土の上に置き、低温下でゆっくり給水させると、みるみる生気を取り戻し、活発に根と葉を伸ばす。
- 球根は、平らで、「*」に似た小さな凸凹のあるほうが上で、少し尖っているほうが下である。上下を間違えると発芽しない。よくわからなければ、とりあえず横向きに仮植えして芽出しする。
- 水はけがよく、夏に直射日光が当たらない場所に地植えすれば、暖地でも2~3年植えっ放しが可能。しかし、腐る危険が大きいので、大切な球根なら毎年掘り上げる。なお、地植えのまま夏越しした球根は、地温の高さを気にしないのか、かなり早い時期(9月下旬頃~)に発芽してくる。
- 水はけのよい、やや粘土質の土を好む。酸性土は嫌うので、石灰を施してから植える。
- ウイルス病にかかりやすいようで、よく葉にモザイク模様が入り、萎縮したりする。
- キンポウゲ科植物だけに、やはり毒性を持つ。汁液に触れるとかぶれることがあるので注意。
余談
- 切り花でおなじみだが、やや花持ちが悪い。開花直後の花ではなく、開いて1~2日経ったものを切る。
(※データ:大阪市基準)