クロッカス/サフラン
イメージ
原産地
南ヨーロッパ・アルプス~東ヨーロッパ・中央~西南アジア
科
アヤメ科
高さ
5~20cm(種類による)
花期
【寒咲き種】1~2月
【春咲き種】3~4月
【秋咲き種】10~11月
形態
秋植え球根
休眠期の管理
掘り上げて乾燥保存
別名等
クロクス(属名)
ハナサフラン(クロッカスの総称)
ダッチクロッカス/スプリングクロッカス(いずれもベルヌス系交配種の総称)
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
9月中旬~5月下旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。
【補足】耐陰性があるが、日光に当てないと花が咲かない。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える。休眠期は、断水する。
肥料
【寒咲き・秋咲き種】秋の元肥の他、花後すぐ~5月に、固形肥料の置き肥、または10~14日に一度の液肥。
【秋咲き種】秋の元肥の他、3~5月に、固形肥料の置き肥、または10~14日に一度の液肥。
【補足】いずれも、元肥の量は控えめにする。
植え替え
【寒咲き・秋咲き種】9月下旬~11月中旬、5~6号鉢に3~5球。
【秋咲き種】8月下旬~9月下旬、5号鉢に3~5球。
【補足】いずれも深さ3cm、地植えは深さ5~8cmで3~10cm間隔。2~3年に一度植え替える。浅植えすると細かく分球しやすい。
整姿
特に無し。
繁殖
【分球】植え替え時(深植えすると分球しにくくなる)。
【タネまき】採ってすぐにまくか、保存して9~10月にまく(開花まで3~4年以上かかる)。
耐暑性
わりと強い。
耐寒性
わりと強いが、霜除けする。
解説
- クロッカスの仲間は、寒咲き種(早咲き種、冬咲き種ともいう)、春咲き種、秋咲き種の三系統に分かれる。
- 寒咲き種(早咲き種、冬咲き種)…原種のクリサンサス、シーベリ、トマシニアヌスフラブスなどを元に園芸品種が作られている。代表種は、「ザーネンブルグ」「ピーターパン」「ブルー・バード」「ブルー・パール」「レディー・キラー」など。やや小振りな花ながら、花数が多く、花もちもよい。耐寒性に優れる。
- 春咲き種…原種ベルヌスから改良された、多くの園芸品種がある。代表種は、「ジャンヌ・ダルク」「ピックウィック」など。他に、「グランド・マイター」「リメンブランス」なども。その他の原種アンキレンシス、ビフロルス、レティクラツスなども、洋種山野草として栽培される。寒咲き種より花が大きく華やかで、鑑賞価値が高い。寒さに特に強く、寒地のほうがよく育つ。
- 秋咲き種…代表種は、香辛料で有名なサフランである。江戸末期に日本に渡来した。それ以外の秋咲き種は、あまり一般的ではなく、ゴウリミイやコッキアヌス、スペシオスス、ニベウス、ヌディフロルス、ボーリー、メディウスなど、数種類の原種が、洋種山野草として出回る程度。耐寒性は強いが、葉が出た状態で越冬するので、寒地では防寒が必要。
- 網袋に水ゴケを詰めて球状にし、水ゴケと網袋の間に球根をたくさん並べて育てると、花のボールが作れる。(チキンネットのような金網を使えば、球形の他にも、いろいろな形を作れて楽しい。)球根の方向は、全て外向きにする。水やりは、袋ごとバケツの水に沈めて行う。水を液肥に替えると、施肥も可能。しかし、できれば、花後は球根を丁寧に取り出し(根に絡んだ水ゴケは無理に外さない)、土に植え替えたい。
注意点・病害虫
- いずれの系統も、地植えの株は、そのまま植えっ放しにできる。が、3~4年おきに植え替えたほうが、花上がりがよい。
- 近年は原種クロッカスもよく出回るが、暖地では長生きしない傾向がある。この仲間は基本的に寒地向き。
- サフランは、土に植えずに裸で転がしておいても開花する。その場合、花が終わり次第、土に植えてしっかり肥培すれば、翌年も開花が期待できる。水栽培で咲かせた場合も同様。
- 翌年用の子球は、親球のすぐ上にできるので、あまり浅く植えないほうがよい。浅植えにすると、激しく分球して球根が小さくなり、開花しなくなる。なお、上に子球ができた親球は、消耗して枯れてしまう。
- ウイルス病にかかると、花や葉が萎縮したり、奇妙な縞模様が入ったりする。治療法がないので、抜き取り処分する。
余談
- サフランの雌しべの収穫は、開花当日の午前中がよい。ブイヤベースやパエリアの風味付けとして有名。ハーブティーにもできる。
各種の和名・異名
- スシアヌス(異名)/クロスオブゴールドクロッカス(いずれもアングスティフォリウス)
- ゾナツス(コツキアヌスの異名)
- サティブス変種カシュミリアヌス(異名)/サフラン/泊夫蘭/バンコウカ/薬用サフラン/サフロンクロッカス(いずれもサティブス)
- ザルツマニー(セロティヌス亜種ザルツマニーの異名)
- オータムンクロッカス(ヌディフロルス)
- イリディフロルス(バナティクスの異名)
- アエリウス(ビフロルス亜種プルクリコロルの異名)
- オーレウス(フラブスの異名)
- イエローマンモス(ルテウス「ゴールデンイエロー」)
(※データ:大阪市基準)