ダリア
イメージ

原産地
メキシコ~グァテマラの高冷地
科
キク科
高さ
15~600cm(種類による)
花期
6~12月(種類による)
形態
春植え球根
休眠期の管理
鉢のまま乾かすか、掘り上げて乾いた土に埋める
別名等
ダーリア(属名)
アルボレア/インペリアリス(いずれも異名)/皇帝ダリア/コダチダリア/木立ちダリア/ミカドダリア/ツリーダリア/ベルツリーダリア/タラノハダリア/キャンデラブラダリア(いずれもエクセルサ)
ピンナタ(異名)/テンジクボタン/天竺牡丹/ラノンケル(いずれもバリアビリス)
日照
4月上旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光したほうがよい)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。
水やり
生育期は表土が乾けば与える(乾き気味に管理)。休眠期は、断水する。
【補足】過湿にも乾燥にも弱い。なるべく花や葉に水をかけない。
肥料
4月下旬~7月上旬と、9~10月に、10~14日に一度の液肥、または固形肥料の置き肥。
【補足】秋の施肥は、窒素(N)を含まない肥料に切り替える。ただし、球根を遅植えして秋に咲かせる場合は、窒素を含む肥料を与える。
植え替え
3月下旬~8月上旬、6~8号鉢に1球。
【補足】深さ3~5cm、地植えは深さ10~15cmで30~50cm間隔。(大輪~巨大輪種の地植えは、60~80cm間隔。)
植え付け時に芽が伸びていたら、基部から二~三節を残して切り詰めておく。夏が厳しい暖地では遅めに植え付け、秋に開花させると楽。
整姿
高性種は支柱が必要(球根に突き刺さないよう注意)。真夏は株元をマルチングし、地温の上昇を防ぐ。
7月上旬~8月上旬頃、株全体を1/3~1/2程度に切り戻し、秋の開花に備える。(茎が中空になっている種類は、節のすぐ上で切らないと、茎の中に水がたまって腐る。)
【仕立て方】腋芽を全てかき取って一本立ちにする方法と、摘芯を1~2回行い、こんもりと低く仕立てる方法がある。巨大~大輪種は一本立ち、中~極小輪種は、低く仕立てる方法が向く。
最初の摘芯は、茎の高さが10~15cmになったら行う。
繁殖
【挿し芽】4月上旬~6月上旬。
【分球】植え付け時(古い茎の基部にある芽を残しながら、刃物で切り分ける)。
【タネまき】4~6月(その年の秋に開花する)。
耐暑性
弱いので、真夏は生育が止まる。
耐寒性
最低5℃を保ち、凍らせない。
【補足】高温にあわせない。
解説
- 初夏の花の定番。メキシコに自生する原種のピンナタ、コクシネアなどを中心に改良されたらしい。作出された品種は膨大な数に上る。暑さや病害虫に弱く、一時人気が低迷していたが、近年、また盛り返してきた。
- 大きく分けて、分球や挿し芽で増やす「栄養系品種」と、タネで殖やす「実生系品種」がある。どちらかというと、栄養系品種の方が一般的。実生系品種は、春まき一年草扱いされることが多い。
- きわめて品種が多く、一重~半八重、八重、万重咲きまで揃っている。花の大きさは、直径によって、超巨大輪(30cm以上)、巨大輪(25cm以上)、大輪(20cm以上)、中輪(15cm以上)、小輪(10cm以上)、極小輪(10cm未満)に分かれる。
- 花型によって、下記のような系統がある。(キク科の植物は、花弁が1枚の小さな花が多数集まって、一つの花を構成する。その小さな花のうち、花弁の上部が平らで、下部が管状になったものを「舌状花」と呼び、花弁の大部分が管状になったものを「管状花」と呼ぶ。)
- シングル咲き(一重咲き)…外輪の舌状花は重なり合わず、一列に並んで平開する。管状花は中央に小さく集まり、円形をしている。
- オーキッド咲き(星咲き)…一重咲き。外輪の舌状花は、内側に巻き込んで半管状となり、とても幅が狭い。花全体が、ヒトデを思わせる奇妙な形状。
- アネモネ咲き(丁子咲き)…外輪の舌状花は一重。管状花は、中央に重なり合うようにして集まり、かなりのボリュームがある。舌状花と管状花の色が異なる。
- コラレット咲き…一重咲き。外輪の舌状花と管状花の間に、色の異なる短い花弁(副弁)がある。
- デコラティブ咲き…八重咲き。幅広で先端のとがった舌状花が、盛り上がるように重なり合っている。管状花はない。大輪や巨大輪に多い。
- フォーマル・デコラティブ咲き…デコラティブ咲きのうち、花弁が整然と並んでいるもの。
- インフォーマル・デコラティブ咲き…デコラティブ咲きのうち、花弁が不規則に並んでいるもの。
- カクタス咲き…万重咲き。幅の狭い先端のとがった舌状花の先端が内側に反転する。管状花はない。
- ストレート・カクタス咲き…カクタス咲きのうち、舌状花がまっすぐなもの。
- インカーブド・カクタス咲き…カクタス咲きのうち、舌状花が内側に曲がるもの。
- セミ・カクタス咲き…カクタス咲きのうち、舌状花の基部は平らで、反転も、幅の1/2以下のもの。(つまり、花弁の先端部分だけが管状に巻いている状態。)
- フリルド・カクタス咲き…カクタス咲きのうち、花弁の先端に切れ込みが入るもの。
- ボール咲き…万重咲き。花全体が球状になる。舌状花の縁は、内側に巻き込んでいる。花径は9cm以上。
- ミニチュア・ボール咲き…ボール咲きに似るが、花径は5~9cm程度。
- ポンポン咲き…ミニチュア・ボール咲きに似るが、花全体がさらに丸く、花径は5cm以下。
- ピオニー咲き…半八重咲き。外輪の舌状花は幅広で、不規則に重なり合って平開する。管状花は中央に集まっている。
- その他…キク咲き、スイレン咲き、フリルド咲きなど。
- 最近は、鉢植え向きの矮性種や、原種そのもの、その他、銅色の葉が美しい品種などが登場し、選択の幅が広がってきた。
- 品種によっては、地下の塊根があまり太らず、宿根草として扱ったほうがよいものもある。
- 「皇帝ダリア」の名で有名なインペリアリス(エクセルサ)は、地植えすると草丈3~9mにも達する。地下部が球根状にならないため、球根植物というよりは、むしろ宿根草である。(その代わり、ゴボウのように太い根を多数持つ。)暖地では、5~7月の間に数回、基部1~2節ずつ残しながら切り戻し、できるだけ低く仕立てれば、11~12月に開花する。(限界日長は12時間30分程度。)花後は枯れるので、地際で刈り取ってマルチングしておけば、春にまた芽吹く。
- インペリアリス(エクセルサ)を冷涼地で地植えしたければ、開花の早い早生系の品種を植える。普通種を育てる場合は、切り戻しを全く行わないか早めに済ませ、少しでも開花を早める。寒くなってきたら、霜が降りる前に地際で茎を切り、充実した部分を2~3節位ずつに切り分け、新聞紙などに包んでビニール袋に入れて、凍らない程度の寒い場所で春まで保管する。暖かくなったら挿し芽する。
注意点・病害虫
- ダリアは冷涼な高地に自生する植物で、どの種類も、真夏の蒸し暑さ、特に熱帯夜に弱い。そのため、暖地では生育が悪く、下手をすると腐って枯れる。真夏は直射日光と過湿を避け、株元をマルチングする。球根を遅植えし、本格的な開花を秋にずれ込ませるのも、よい方法だと聞く。
- 球根を購入するときは、必ず、小さなイボのような芽が付いているのを確認する。芽のない球根は、植えても発芽しない。(芽のない球根には、「芽接ぎ」をすればよいらしいが、難易度が高い。)また、裸の球根は乾燥に弱いので、乾いてシワがよったものも避ける。
- 暖地では、地植えにして放任してもよい。掘り上げる場合は、古い茎を地際で切り、残した茎の基部と、球根の本体を傷つけないようにする。球根を乾燥させると干からびるので、必ず乾いた土に埋めて保存する。
- この仲間は短日植物だが、限界日長が12~13時間程度なので、8~9月頃が、最も花芽分化に適している。暖地では残暑が厳しいので、よい花が咲かない。これより日長が短くなると、生長が抑制されて休眠の準備に入り、球根を太らせようとする性質がある。
- 越冬中に暖かい部屋に置くと、休眠が打破されないので、過保護にする必要はない。凍らない程度の温度があれば大丈夫。
- 栄養系、実生系を問わず、ダリアは、タネからでも容易に作れる。市販のタネは実生系品種だが、地下に球根ができるので、掘り上げて保管しておけば翌春また植えることができる(ただし、実生系品種は寿命が短い)。もちろん、秋にタネを採り、毎年まき直してもよい。
- ウイルス病に弱い。葉が萎縮したり、不規則なモザイク模様が出てきたら、抜き取り処分する。また、暗紋病にかかると、葉に円形で褐色~暗褐色をした同心円状病斑ができる。こちらはトップジンMで防除できる。
- アブラムシなどの虫害にあいやすいので、オルトランなどを使用すると楽。ハダニが発生したら、水で洗い流すか、粘着くんなどの殺ダニ剤を散布する。
余談
- 切り花でも定番だが、下葉から傷みやすく、取り除いてから生ける。花もちは今ひとつ。
(※データ:大阪市基準)