いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

カタクリ

イメージ

原産地

日本(沖縄除く)~カラフト・南千島・中国・朝鮮半島・北アメリカ・ヨーロッパ

ユリ科

高さ

10~30cm

花期

3~5月

形態

秋植え球根

休眠期の管理

鉢のまま控えめに水やりを続ける

別名等

エリスロニウム・ジャポニクム(学名)/片栗/カタカゴ/堅香子/文台百合/カタコ/カタツコ/カタバナ/ゴンベーロ


レボルツム(異名)/カリフォルニアカタクリ(いずれもカリフォルニクム)
セイヨウカタクリ/西洋片栗(デンス-カニス)
セイヨウカタクリ/西洋片栗/セイヨウキバナカタクリ/西洋黄花片栗(いずれも「パゴダ」)

日照

10月上旬~5月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(花後すぐ~葉が枯れるまでは30~50%遮光)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。休眠期は、ごく控えめに。

【補足】傷みやすいので、花に水をかけない。

肥料

夏の元肥の他、花後すぐ~5月上旬に、7~10日に一度、1500~2000倍に薄めた液肥を施す。

【補足】加えて、葉のある期間中、ブドウ糖の2000倍液を水やり代わりに施すと、球根が太りやすい。

植え替え

7月上旬~9月下旬、5号鉢に1~3球(できれば地植えにする)。

【補足】深さ3~5cm、地植えは10~15cm間隔。1~3年に一度植え替える。いじられることを嫌うため、一度植え付けたら、なるべく触らない。

整姿

特に無し。

繁殖

【分球】植え付け時(カタクリは分球しない)。

【タネまき】採ってすぐにまく(発芽は翌春で、開花まで6~10年かかる)。

耐暑性

弱い。

【「パゴダ」】わりと強い。

耐寒性

とても強い(-30℃)が、凍らせない。

解説

  1. 日本に自生するカタクリは暑さに弱く、温暖地ではうまく育たない。寒冷地向きの植物である。
  2. よく見かける黄花の「パゴダ」は、北アメリカ産のカリフォルニクム「ホワイト・ビューティー」と、別の原種であるトゥオルムネンセの交雑種。比較的耐暑性が強く、暖地でも育って花が咲き、わりと殖える。
  3. カリフォルニクム「ホワイト・ビューティー」は、わずかに黄色を帯びる白い花を咲かせる。また、ヨーロッパ原産のデンス-カニス「ピンク・ビューティー」は、日本のカタクリによく似た姿をしている。
  4. いわゆる「春植物(スプリング・エフェメラル)」の一種である。一年のうち大半は地上部が何もなく、地中だけで生きている。そのため、鉢植えは一年中水やりが必要。葉がある間は、しっかり日光に当て、肥料も与える。

注意点・病害虫

  1. 新球が親球より下に作られるため、球根が年々深く潜る。このため、鉢植えは深鉢を使い、1~3年に一度植え替える。野生のカタクリの球根は、数十cmの深さまで潜っているらしい。
  2. 植え付け時に、球根の下に鉢底網などを敷けば、球根の潜り込みを防止できる。毎年植え替えたくない鉢植えなどに。
  3. 鉢植えの場合、二重鉢にして管理すると、鉢壁からの外気温の影響が軽減されるため、生育が改善する。
  4. とはいえ、やはり鉢植えには向かないので、なるべく地植えにする。一度地植えにすると、その後はほとんど放任できる。水はけのよい、落葉樹の下が最適地。
  5. 休眠中も極端な乾燥を嫌うので、掘り上げて保存するのは無理。掘り上げたら、すぐに植え付ける。
  6. 害虫は少なく、ナメクジに葉をかじられることがある程度。病気は、ウイルス病にかかりやすい。

余談

  1. 花も葉も食用になるが、葉を摘んでしまうと、球根が非常に弱る。
  2. 片栗粉は本来、カタクリの球根から作られるが、市販品はジャガイモのデンプンでできている。

(※データ:大阪市基準)