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素人園芸解説 -私はこう育てる-

球根ベゴニア

イメージ

原産地

南米のアンデス山地

シュウカイドウ科

高さ

10~100cm(種類による)

花期

5~11月

形態

春植え球根

休眠期の管理

鉢のまま乾かすか、掘り上げて乾いた土に埋める

別名等

ベゴニア・ツベルヒブリダ(学名)/球根性ベゴニア/ハイブリッドチューベロウスベゴニア


グレートリーフベゴニア/メイプルリーフベゴニア(いずれもドレゲイ)
北ほたる(ペアルケイ)

日照

4月上旬~11月中旬の生育期は、戸外で0~10%遮光(7月上旬~9月上旬は50~70%遮光)。
越冬中は、日光に当てなくてよい。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。越冬中は、断水する。

【補足】花や葉に水をかけたり、雨に当てたりしない。

肥料

4月上旬~6月下旬と、9月下旬~11月上旬に、7~10日に一度の液肥。

【補足】カリ(K)を多めに与える。

植え替え

3月下旬~4月中旬、4~5号鉢に1球。

【補足】球根の上部が見え隠れする程度の浅植え、地植えは15cm間隔。(地植えは寒地のみ可能だが、鉢植えのほうが管理しやすい。)暖かい場所で、湿らせた清潔な土に仮植えし、芽出ししてから植えると安全。

整姿

立性種は、球根から芽が複数出たら、よい芽を一つ残し、他は全てかき取る。茎が伸びると折れやすくなるので、支柱を立てる(球根に突き刺さないよう注意)。

繁殖

【挿し芽・葉挿し】4月下旬~6月上旬か、9月下旬~10月上旬。(挿し芽は、株元から伸びる、花が咲いたことのない若枝を挿し穂に用いる。葉挿しは、できない種類が多い。)

【分球】植え付け時(刃物で切り分けるが、切り口から腐りやすいので、あまり一般的でない)。

【タネまき】4月(土はかけない)。

耐暑性

とても弱い。

耐寒性

最低3℃を保つ。

【補足】高温にあわせない。

解説

  1. アンデス山脈に自生する複数の球根性ベゴニアの原種(キンナバリナ、クラーケイ、ソコトラナ、ダビシー、ドレゲイ、ビーチー、ペアルケイ、ボリビエンシス)を元に作出された園芸品種群を、園芸上、「球根ベゴニア」と称する。
  2. 茎が上に伸び上がる立性種(スタンドタイプ)と、茎が枝垂れる下垂性種(ハンギングタイプ)があり、よく球根が出回るのは前者である。後者は、吊り鉢仕立ての鉢花として見かける。
  3. 花色は、白、桃、紅、赤、橙、黄などいろいろ。花弁の縁が紅色になる「ピコティー(覆輪)」も人気。
  4. 花の大きさは、小輪・中輪・大輪まである。花型は、「カメリア(=ツバキ)咲き」「カーネーション咲き」「一重咲き」の他、花弁に細かい切れ込みが入る「フリンジ咲き」などがある。
  5. 最近見かける「ティネラ」「ファイヤー・クラッカー」などは、比較的耐暑性が強い。いずれも花は小さめだが、かなりの多花性。

注意点・病害虫

  1. 大輪の花を咲かせる品種は、中央の大きな雄花のみを残し、脇にある小さな雌花を、咲く前に摘み取る。そうすることで、雄花に養分が集中し、よい花が咲く。
  2. きわめて暑さに弱く、寒冷地以外での夏越しは難しい。生育適温は10~26℃で、それ以上の高温にあうと、とたんに機嫌が悪くなる。(ちなみに低温にあうと、今度は休眠してしまう。)特に、熱帯夜(夜温25℃以上)を極度に嫌がるので、夜温だけでも下げるようにすれば、少しは生育が改善する。
  3. 夏越し中は、鉢を高いところに吊るす、遮光する、用土を乾き気味にする、肥料を与えないなど、さまざまな気づかいが必要。最初から、水はけのよい用土に植えておくと、夏越し成功率が上がる。なお、同じ種類でも、個体によって耐暑性に差がある。
  4. 長日植物なので、日長が短くなる晩秋以降は休眠する。しかし、冬でも10℃以上の温度を保ち、室内で照明を当てながら栽培すると、冬でも枯れずに生育を続ける。休眠に入るかどうかの限界日長は13~14時間らしい。
  5. ベゴニアの仲間なので、うどんこ病や灰色かび病、ホコリダニの被害にあいやすい。定期的な殺菌剤や殺ダニ剤の散布が必要。ウイルス病にもかかる。

余談

  1. 「球根性ベゴニア」と呼ばれることもあるが、厳密に言うと、「球根ベゴニア」と「球根性ベゴニア」は別物である。「球根ベゴニア」は、上記のように、多数の原種を交配して作られた、美しい園芸品種群をいうが、「球根性ベゴニア」は、球根を作る性質を持つ原種のベゴニアと、その改良品種を指す言葉である。「球根性ベゴニア」は、「球根ベゴニア」に比べて品種が少なく、華やかさに欠ける。

(※データ:大阪市基準)