ムスカリ
イメージ
原産地
地中海沿岸・ヨーロッパ南東部~西アジア・コーカサス・中央アジア
科
キジカクシ科(またはクサスギカズラ科・ヒアシンス科・ユリ科)
高さ
10~60cm
花期
3~5月
形態
秋植え球根
休眠期の管理
鉢のまま乾かすか、掘り上げて乾いた土に埋める
【黄花種】鉢のまま控えめに水やりを続ける
別名等
ブドウヒアシンス/グレープヒアシンス
(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)
日照
10月上旬~6月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(黄花種のみ、越冬中は霜除けする)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。
【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える。休眠期は、断水する。
【黄花種】休眠期も、ごく控えめに水やりを続ける。
肥料
秋の元肥の他、2月と、花後すぐに、固形肥料の置き肥。
植え替え
9月下旬~11月下旬、5号鉢に5球。
【補足】深さ3cm、地植えは深さ5~8cmで5~15cm間隔。2~4年に一度植え替える。
整姿
特に無し。
繁殖
【分球】植え付け時(深植えすると、あまり分球しない)。
【タネまき】採ってすぐにまく。
耐暑性
夏期は休眠する。
【補足】パラドクサムやボトリオイデスは、夏に腐りやすいので注意。
耐寒性
強い(-20℃)。
【補足】高温にあわせない。
解説
- 多くの種類があり、青花のアルメニアクムが代表種。その他、アウチェリ、アズレウム、コモスム「プルモスム」、ネグレクツム、ボトリオイデス「アルブム」、ラティフォリウムなどが出回る。 花色は、青が多く、白、紫、空色、赤紫、桃色、黄色、クリーム色などがある。
- 園芸品種も数多い。アウチェリ系は「オーシャンマジック」「ツベルゲニアヌム」「ブルーマジック」「ホワイトマジック」、アルメニアクム系は「バレリーフィニス」「ファンタジークリエーション」「ブルースパイク」「ブルーパール」、その他の品種に、「ピンクサプライズ」「ホワイトビューティー」「マウントフッド」などがある。
- コモスム「プルモスム」は、花弁の細い、ふわふわした花を咲かせる。雨に当てると倒れやすいので、鉢植えにし、軒下に置く。
- ラティフォリウムは、花茎以外には、チューリップのような幅広の葉が一枚出るだけである。この葉を傷めると、球根の肥大に支障が出る。
- 西アジア原産のモスカツムは、芳香のある淡黄色の花を咲かせる。やや寒さに弱く、鉢植え向き。あまり出回っていない。ムスカリの黄花種としては、他に、マクロカルプム(フラブム)がある。これらは他の種類より石灰分を好むので、植え付け前に土に施しておく。
- 最近、一部の種類(ボトリオイデスや、濃青紫花のパラドクスムなど)が、ムスカリ属からベレバリア属に移されたらしい。緑色の花を咲かせるグリーンムスカリ「グリーンパール」も、ベレバリア属の植物である。ベレバリアの育て方はムスカリと同じだが、夏越し中の湿気に弱く、地植えで放任すると、球根が腐って消えやすい。また、分球しにくいため、繁殖は秋の実生による。
注意点・病害虫
- モスカツムやマクロカルプム(フラブム)といった黄花種は、夏の間も、太く長い根(紡錘根)が生きている。従って、休眠期間中も、控えめに水やりを続ける。
- 植え付け後、すぐに葉が出てくる。耐寒性は強く、極寒地でもない限り、特に防寒しなくても大丈夫。ただし、黄花種は半耐寒性なので注意。
- 球根を遅植えすると、葉の短い、整った株姿で開花する。しかしそのぶん、生育期間が短くなり、球根の太り具合や分球が、やや悪くなる。日当たりのよい場所で、乾き気味に育てれば、葉の徒長が少しマシになる。
- できれば毎年植え替えず、数年間植えっ放しにしたほうが生育がよい。球根もよく殖える。
- ただし、地植えの場合は事情が異なる。超強健種のアルメニアカム以外の種類は、植えっ放しにしない方が無難。もし放植すると、夏の間に球根が腐り、数が激減することが多い。できれば鉢植えで。
各種の和名・異名
- リングラツム(異名)/オーケリ(いずれもアウチェリ)
- ヒアシンツス・アズレウス(アズレウムの異名)
- アルメニアカム/ブドウムスカリ(いずれもアルメニアクム)
- バレイフィネス(アルメニアクム「バレリーフィニス」)
- レオポルディア・コモサ(異名)/クサムスカリ/タッセルグレープヒアシンス(いずれもコモスム)
- コモスム「モンストロスム」(異名)/ハネムスカリ/フェザーグレープヒアシンス(いずれもコモスム「プルモスム」)
- ラセモスム(異名)/ネグレクタ(いずれもネグレクツム)
- ルリムスカリ/ブドウムスカリ(いずれもボトリオイデス)
- ボトリオイデス「アルバ」(ボトリオイデス「アルブム」)
- ラティフォリューム(ラティフォリウム)
- ピクナンサ/ベレバリア・パラドクサ(いずれもパラドクスムの異名)
(※データ:大阪市基準)