ネリネ
イメージ
原産地
南アフリカのケープ地方・ボツワナ・ナミビア
科
ヒガンバナ科
高さ
20~80cm
花期
9~12月(種類による)
形態
春植え球根または夏植え球根
休眠期の管理
鉢のまま控えめに水やりを続ける
別名等
ヒメヒガンバナ
ダイヤモンドリリー(サルニエンシス系品種の総称)
クリスパ(ウンドゥラタの異名)
日照
【春植え種】4月上旬~11月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。(暖地なら戸外で霜除け。葉がなければ日光に当てなくてよい。)
【夏植え種】9月中旬~5月下旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。
水やり
生育期は、土の表面が乾けば与える(一貫して乾き気味に管理)。休眠期は、ごく控えめに。
【補足】非常に乾燥に強い反面、過湿になると簡単に腐る。
肥料
【春植え種】春の元肥の他、花後すぐに、固形肥料の置き肥(多肥にしない)。
【夏植え種】夏の元肥の他、1月に、固形肥料の置き肥(多肥にしない)。
植え替え
【春植え種】3月下旬~4月中旬、4号鉢に1球。
【夏植え種】8月中旬~9月下旬、3~4号鉢に1球。
【補足】いずれも球根の上部が出るよう浅植え、地植えは20cm間隔。3年に一度植え替える。やや窮屈な鉢で育てるのが開花のコツ。
整姿
特に無し。
繁殖
【分球】植え付け時。
【タネまき】12~1月。(土はかけない。採ってすぐにまくが、発芽に2ヵ月ほどかかる上に、開花まで5~8年かかる。)
【ツインスケーリング】7~8月。(球根を縦に切り分け、発根部を付けて鱗片を二枚ずつ外し、清潔な土に植え付けて子球を発生させる。)
耐暑性
わりと強い。
耐寒性
【春植え種】最低0℃を保つとよい。
【夏植え種】最低5℃を保つとよい。
【補足】いずれも、高温にあわせない。
解説
- 最近人気が上昇している球根植物。ヒガンバナに似るが、別種である。
- 大きく分けて、夏に葉が枯れる夏植え種と、常緑~半常緑性の春植え種がある。育て方は微妙に異なるが、開花期はいずれも晩夏~冬。
- 夏植え種には、原種のサルニエンシス、プディカ、フミリス、ボーデニーなどがある。 ヒガンバナと同じ生育サイクルを持ち、植え付け後、まず花茎が伸びてきて開花し、その後、葉が出てくる。
- 園芸上は「ネリネ」といえば、原種サルニエンシスから作られた、華やかな園芸品種群を指す。花弁に輝くような光沢を持ち、「ダイヤモンドリリー」の名で知られる。夏植え種で、初夏から球根が売り出される。花色が豊富で、白~桃、赤、朱色、サーモンピンクなどがある。花に香りはない。夏の過湿と冬の寒さに弱い。
- 春植え種には、原種のウンドゥラタ(クリスパ)、フィラメントサ、フレクスオサなどがある。春植え種とはいえ真夏は半休眠状態で、晩夏に植え替えることも可能。そのせいか、夏植え種と同じ時期に球根が売り出されることがある。
- 最も育てやすいのは、ウンドゥラタ(クリスパ)とボーデニーであろうか。ウンドゥラタは花弁が細く花が小さめ。ボーデニーは花が大輪で華やか。いずれも強健で、暖地では庭に植えっ放しにできる。なお、花弁に宝石のような光沢は無い。
- あまり見かけないが、アングスタやマソニオルム、レーマニーのような、山野草扱いされる矮性種もある。これらは常緑性で、真夏もそれなりに水やりが必要。
注意点・病害虫
- サルニエンシスとボーデニーは、大きな球根を植えないと開花しないので、購入時に注意する。
- 寒さに弱いサルニエンシス系品種以外は地植え可能。が、どちらかというと鉢植え向きである。一度植え付けたら、3年はそのまま据え置き栽培する。頻繁に植え替えると咲きにくい。
- 葉が5~7枚できるごとに花芽が1つ作られるらしい。ただ、その花芽が実際に開花するには、約2年を要するという。
- 種類によっては、タネでもよく殖える。タネまきをする場合は、乾いた清潔な土を入れた苗床を用意し、その上にタネをばらまく。覆土の必要はない。発芽したら徐々に水やりをする。
- 初夏~夏頃に、ハマオモトヨトウが発生し、茎葉・球根に至るまで、ひどく食害される。発生当初は集団で葉肉の内部に潜んでいるので、葉ごと切り取って処分する。
- ヒガンバナ科の植物なので、いちおう毒性がある。
余談
- 花持ちがよく、切り花としておなじみ。
(※データ:大阪市基準)