いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

オーニソガラム

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原産地

地中海沿岸・ヨーロッパ~西アジア・アラビア半島・アフリカ南部・マダガスカル

キジカクシ科(またはヒアシンス科・ユリ科)

高さ

5~150cm(種類による)

花期

【秋植え種】1~5月(種類による)

【春植え種】3~11月(種類による)

形態

春植え球根または秋植え球根

休眠期の管理

鉢のまま乾かすか、掘り上げて乾いた土に埋める

【常緑性種】鉢のまま、控えめに水やりを続ける

別名等

(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

【秋植え種】10月上旬~6月中旬の生育期は、戸外の直射日光下(越冬中は霜除けする)。
休眠期は、日光に当てなくてよい。


【春植え種】4月上旬~11月上旬の生育期は、戸外の直射日光下(7月中旬~9月上旬は30~50%遮光)。
越冬中は、室内の日当たり。(暖地なら戸外で霜除け。葉がなければ日光に当てなくてよい。)

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える(乾き気味に管理)。休眠期は、断水する(葉があれば、引き続き、ごく控えめに水やりを続ける)。

【補足】乾き気味を好むが、水切れもよくない。

肥料

【秋植え種】秋の元肥の他、2月と、花後すぐに、固形肥料の置き肥(多肥にしない)。

【春植え種】春の元肥の他、4月下旬~10月下旬に、二週間に一度、1500~2000倍に薄めた液肥を施す。

植え替え

【秋植え種】9月下旬~11月上旬、5号鉢に5球(大球性種は6号鉢に1球)。

【春植え種】4月、5号鉢に5球(大球性種は6~7号鉢に1球)。


【補足】いずれも深さ3cm、地植えは深さ5cmで5~10cm間隔(大球性種の地植えは、深さ5~10cmで15~30cm間隔)。1~2年に一度植え替える。

整姿

特に無し。

繁殖

【分球】植え付け時。

【タネまき】採ってすぐにまく。

耐暑性

わりと強い。

耐寒性

やや弱く、暖地以外では防寒する。

【アフリカ南部原産種】最低0℃を保つ。

解説

  1. この仲間は種類が多く、大きく分けて、下記の二系統がある。花色は白が最も多く、一部、ダビウム(ミニアツム)やマクラツムなど、黄色の種類がある。
    • ヨーロッパ~西アジア原産種…耐寒性があり、丈夫。主な原種は、アラビクム、ウンベラツム、ヌタンス、バランサエ、ラティフォリウムなど。
    • アフリカ南部原産種…耐寒性が弱く、霜除け必須。主な種類は、コーダツム、ソーンデルシー、シルソイデス、ダビウム(ミニアツム)、テヌイフォリウム、ヒスピドゥム、マクラツムなど。
  2. いずれも小型~大型種までいろいろ。ウンベラツムやバランサエは小型、アラビクムは中型、ソーンデルシーは大型に育つ。
  3. また、秋植え種と春植え種があり、日本では秋植え種のほうが一般的。ヨーロッパ・西アジア原産の種類は基本的に秋植え種で、アフリカ南部原産の種類は、秋植え種と春植え種に分かれる。
  4. アフリカ南部原産種のうち、秋植え種に該当するのは、シルソイデス、ダビウム、テヌイフォリウム、マクラツムなどである。
  5. 春植え種は、あまり多くない。高さ1m以上になり夏に開花するソーンデルシーや、根元がタマネギのように肥大し、晩春~夏にかけて開花するコーダツムなどがある。いずれも寒さに弱く、冬は室内のほうが安全。
  6. コーダツムは現在、オーニソガラム属からアルブカ属に移されているが、現在もオーニソガラムの一種として扱われることがある。その草姿ゆえに、しばしば「タマネギ」呼ばわりされる。きわめて丈夫で、タマネギ状の鱗茎の表面から子球が発生しては落ち、また、タネができては落ち、よく殖える。花は白く、花弁に緑色の線が入るのが特徴。「ニセカイソウ」の別名は、近縁の球根植物である「カイソウ(ウルギネア・マリティマ)」に似るために付いたらしい。なお、カイソウは、コーダツムよりずっと大型の植物で、花色は白。薬用に使われるという。

注意点・病害虫

  1. ウイルス病にかかりやすい。花や葉に不規則な縞模様が入ったり萎縮したりしたら、他の植物にも伝染するので処分する。
  2. この仲間は有毒植物らしい。多量に摂取すると危険。ただ、ウンベラツムは古くから食用にされてきたという。

余談

  1. 切り花でおなじみ。非常に水あげがよく、最後の一花まで開くことが多い。

各種の和名・異名

  1. アラビカム/クロボシオオアマナ(いずれもアラビクム)
  2. ウンベラタム/オオアマナ/ベツレヘムの星/スター・オブ・ベツレヘム(いずれもウンベラツム)
  3. ソーンデルシー(サウンデルシアエ)
  4. ティルソイデス/チンク/チンカリンチー/ワンダーフラワー(いずれもシルソイデス)
  5. ミニアツム(ダビウムの異名)
  6. オーニソフィルム(異名)/ホソバオオアマナ(いずれもテヌイフォリウム)
  7. ドロッピングスター・オブ・ベツレヘム(ヌタンス)
  8. オリゴフィルム(バランサエの異名)

オーニソガラムとは別属の種類。

  1. オーニソガラム・コーダツム/オーニソガラム・ロンギブラクテオツム(いずれも異名)/タマネギ/ウミネギ/海葱/コモチカイソウ/子持ち海葱/ニセカイソウ/偽海葱/シーオニオン(いずれもアルブカ・ブラクテアタ)

(※データ:大阪市基準)