いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

シラー

イメージ

原産地

中央アジア・ヨーロッパ~北アフリカ・南アフリカ

キジカクシ科(またはヒアシンス科・ユリ科)

高さ

10~90cm(種類による)

花期

3~5月

形態

秋植え球根

休眠期の管理

鉢のまま控えめに水やりを続ける

別名等

スキラー/スキルラ/スクィル/ワイルドヒアシンス/ワイルドヒアシンス


(※各種の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

10月上旬~6月中旬の生育期は、戸外の直射日光下。
休眠期は、日光に当てなくてよい。

【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

生育期は、土の表面が乾けば与える。休眠期は、断水する。

肥料

秋の元肥の他、2月と、花後すぐに、固形肥料の置き肥。

植え替え

9月下旬~11月上旬、5号鉢に3~5球(大型種は、5~6号鉢に1球)。

【補足】深さ3cm、地植えは深さ3~5cmで5~10cm間隔(大型種は、15~30cm間隔)。3年に一度植え替える。

整姿

特に無し。

繁殖

【分球】植え付け時。

【タネまき】採ってすぐにまくか、保存して9月にまく。

耐暑性

わりと強い。

【小型種】弱い。

耐寒性

とても強い。

解説

  1. シラーの仲間は、小型種のシベリカやビフォリア、ツベルゲニアナ、中型のカンパヌラタ(ヒスパニカ)、やや大型のペルビアナなど、多くの種類がある。小型種はややデリケートだが、中~大型の種類は植えっ放しが可能で、手がかからない。花色は淡青、青紫、白、桃がある。
  2. シベリカとビフォリアは、どちらも草丈10cm前後。姿がよく似るが、ビフォリアは、葉が二枚しかない。花の形も違い、シベリカは下向き、ビフォリアは上向きに咲く。
  3. カンパヌラタ(ヒスパニカ)は、現在はシラー属から分離され、ヒアシンソイデス属に移されている。この種類は、他のシラーとは異なり、球根内部の花芽成熟に、冬の低温を必要としないらしい。
  4. ペルビアナの根は、休眠中も枯れずに生きているので、掘り上げたら保存せず、すぐに植え付ける。毎年掘り上げると生育が悪い。
  5. その他の秋植え種には、大型種のヒアシンソイデス、中型種のプラテンシス、やや小型種のベルナなどがある。いずれも淡青紫色花。
  6. あまり見かけないが、春植え種のナタレンシスは、草丈60cmに達する大型種である。やや寒さに弱く、冬は最低0℃を保つ。3~4月に植え付け、5~6月に開花。
  7. 最近、「イングリッシュブルーベル」の名で知られる、イギリス原産のノン-スクリプタが導入されている。これもカンパヌラタ(ヒスパニカ)と同様、現在はヒアシンソイデス属に属する。原産地では、外来種のカンパヌラタ(ヒスパニカ)との交雑が進んで危機に瀕しつつあるらしく、希少な種類だという。なお、花茎が直立するのがカンパヌラタ(ヒスパニカ)で、曲がるのがノン-スクリプタらしい。
  8. 日本にも同属のツルボが自生する。(中国からの帰化植物らしい。)これも球根植物だが、普通は多年草として扱う。花は小さく、たくさん穂状にかたまって咲く。開花期は8~9月。白花種や矮性種もある。

注意点・病害虫

  1. この仲間は、いちおう有毒植物である。

余談

  1. 切り花の水あげはよい。
  2. ツルボに似て葉に黒い縦縞模様があるシマツルボは、南アフリカ原産の植物で、シラー属ではなく、レデボウリア属に属する。山野草として売られていることが多い。きわめて栽培容易。また、同じく南アフリカ原産で、肉厚の葉にまだら模様が入る小型種のビオラセアも、現在はレデボウリア属に移され、「レデボウリア・ソシアリス」という名前になっている。やや寒さに弱いものの、丈夫でよく殖える。常緑性。別ページで解説済み。

各種の和名・異名

シラー属の種類。

  1. シビリカ(シベリカ)
  2. シネンシス/ジャポニカ(いずれも異名)/ツルボ/蔓穂/スルボ(いずれもスキロイデス)
  3. ミシュチェンコアナ(ツベルゲニアナの異名)
  4. メルウィラ・プルンベア(ナタレンシスの異名)
  5. ニバリス(ビフォリアの異名)
  6. スプリングスクィル(ベルナ)
  7. オオツルボ/大蔓穂/キューバリリー/ペルビアンシラー/ペルビアンリリー/スター・オブ・ペルー/ヒアシンス・オブ・ペルー(いずれもペルビアナ)
  8. プラテンシス(リタルディエリの異名)

ヒアシンソイデス属の種類。

  1. シラー・イタリカ/エンディミオン・イタリカ(いずれもイタリカの異名)
  2. シラー・ヌタンス/エンディミオン・ノン-スクリプツス(いずれも異名)/ヨウラクツルボ/ヒメツリガネノウゼン/ブルーベル/ウッドベル/ワイルドヒアシンス/ワイルドヒアシンス/イングリッシュブルーベル(いずれもノン-スクリプタ)
  3. シラー・カンパヌラタ/シラー・ヒスパニカ/エンディミオン・カンパヌラツス/エンディミオン・ヒスパニクス(いずれも異名)/カンパニュラタ/球根ツリガネソウ/ツリガネスイセン/スパニッシュブルーベル(いずれもヒスパニカ)

(※データ:大阪市基準)