いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

サラサドウダン/ドウダンツツジ

イメージ

原産地

日本・台湾・ヒマラヤ

ツツジ科

高さ

1~2m

花期

4~5月

【紅葉・結実】10~11月

形態

落葉低木

別名等

【サラサドウダン】エンキアンツス・カンパヌラツス(学名)/更紗燈台/フウリンツツジ/風鈴躑躅

【ドウダンツツジ】エンキアンツス・ペルラツス(学名)/満天星/フウリンツツジ/風鈴躑躅/トウダイツツジ/燈台躑躅


(※その他の種類の和名・異名はページの一番下にまとめた)

日照

戸外の直射日光下(7月上旬~9月上旬は30~50%遮光したほうがよい)。

【補足】少し耐陰性があるが、なるべく日光に当てる。

水やり

土の表面が乾けば与える(水切れは厳禁)。

肥料

2月、花後すぐ、7月に、固形肥料の置き肥。

【補足】秋に施肥をすると、きれいに紅葉しない。

植え替え

12月上旬~3月下旬か、花後すぐ。

【補足】2~3年に一度行う。

整姿

【剪定】あまり樹形が乱れないので、無理に行う必要はない。生垣などで樹形を優先する場合は、花後すぐ~6月に刈り込む。

冬剪定…植え替えと同時期。
細い込み枝を透かす程度。(枝先に花芽がある花後すぐので、冬に剪定すると、花芽を切り落とすことになる。)

花後剪定…花後すぐ。
伸びすぎた枝を切り戻す程度。

繁殖

【挿し木】2~3月か、6~8月(発根率が悪いので、多めに挿す)。

【タネまき】採ってすぐにまくか、保存して3月にまく。(実生苗の初期生育はとてつもなく遅いので、辛抱強く向き合う。)

耐暑性

強い。

【サラサドウダン】わりと強いが、猛暑の年は注意が必要。

耐寒性

とても強い(-25℃)。

【補足】高温にあわせない。

解説

  1. 名前に「ツツジ」と付いているが、ツツジとは別属の植物である。いずれも花が可愛らしく、美しい紅葉も楽しめる、お得な木である。一日の寒暖差が少ない暖地でもそれなりに紅葉してくれる。丈夫で育てやすい。
  2. ドウダンツツジは漢字で「満天星」と書く。伊豆以西~九州に自生する。細い枝が密生し、生垣やトピアリー向き。花は白く、壷型をしており、スズランを思わせる。矮性種にツクモドウダンがある。
  3. 同じ仲間で四国~九州に多い白花のシロドウダンや、花が赤紅色のベニドウダンも、同様に育てられる。チチブドヴタンは、ベニドウダンの変種。これらは山地性で、やや耐暑性に欠ける。
  4. サラサドウダンは、全体的にドウダンツツジより大型である。枝数が少なく、茂り方も粗いため、生垣やトピアリーには向かない。花は、淡桃色地に濃紅色の縦縞が入り、釣鐘型。花色の濃い変種、ベニサラサドウダンもある。やはり耐暑性に欠ける。
  5. 「ピンクシャンデリア」の名で知られるホンコンドウダンは、大きな淡桃色の花をたくさん咲かせる。常緑性で、名前の通り中国原産。これも栽培容易。ただし寒さに弱い(0~-5℃)。

注意点・病害虫

  1. ツツジ科植物なので、砂質で酸性の土を好む。鹿沼土に植えると楽。根が細く浅く、空気を好むので、水はけに注意する。

余談

  1. よく似たヨウラクツツジは、以前はヨウラクツツジ属(メンジーシア属)に分類されてきたが、現在は、ツツジ属(ロードデンドロン属)に移されている。が、花は小さな釣り鐘形をしており、一般的なツツジとはかなり趣が異なる。いくつか種類があり、花色は紅色や淡黄色など。いずれも深山や亜寒帯に自生し、栽培難度が高い半面、耐寒性はとても強い(-30℃)。

各種の和名・異名

  1. シロバナフウリンツツジ/白花風鈴躑躅(カンパヌラツス品種アルビフロルス)
  2. カイナンサラサドウダン/海南更紗燈台(カンパヌラツス変種シコキアヌス)
  3. カンパヌラツス変種パリビニー(異名)/ベニサラサドウダン/紅更紗燈台(いずれもカンパヌラツス変種ルビクンドゥス)
  4. ツクシドウダンツツジ/筑紫満天星/筑紫燈台躑躅(カンパヌラツス変種ロンギロブス)
  5. ホンコンドウダン/香港燈台(クィンクェフロルス)
  6. アブラツツジ/油躑躅/ヤマドウダン(いずれもスブセッシリス)
  7. コアブラツツジ/小油躑躅(スブセッシリス変種ヌディペス)
  8. シロドウダン/白燈台(セルヌース)
  9. チチブドウダン/秩父燈台(セルヌース変種マツダエ)
  10. ベニドウダン/紅燈台(セルヌース品種ルベンス)
  11. ヒロハドウダンツツジ/広葉満天星/広葉燈台躑躅(ペルラツス変種ジャポニクス)

(※データ:大阪市基準)