いろんな植物の育て方や知識をご紹介。

素人園芸解説 -私はこう育てる-

フヨウ/スイフヨウ

イメージ

原産地

中国中部

アオイ科

高さ

1~3m

花期

7~11月

【結実】10~12月

形態

落葉低木

別名等

【フヨウ】ヒビスクス・ムタビリス(学名)/芙蓉/モクフヨウ/木芙蓉/コットンローズ/コンフェデレートローズマロウ

【スイフヨウ】ヒビスクス・ムタビリス品種ベルシコロル(学名)/酔芙蓉

日照

戸外の直射日光下(きわめて日光を好む)。

水やり

土の表面が乾けば与える(葉が大きいので、水切れは厳禁)。

肥料

4~5月、7月、9月に、固形肥料の置き肥。(鉢植えは、開花期間中、10~14日に一度の液肥を施してもよい。)

植え替え

3月中旬~4月下旬。

整姿

【剪定】12月上旬~4月上旬(暖地以外では、厳寒期を避けて剪定する)。

冬は地上部が枯れこむので、適当に切り戻して差し支えない。(地際近くでばっさり切っても大丈夫。)
生育期間中も枝が伸び過ぎれば、いつでも剪定できるが、新梢の先端に花芽を付ける性質上、切ってばかりでは開花しない。(7月までに剪定を済ませれば、秋に開花する。)

繁殖

【挿し木】3月か、5月下旬~8月下旬。

【株分け】植え替えと同時期。

【タネまき】採ってすぐにまくか、乾かないよう保存して4~5月にまく(皮に傷をつけてからまく)。

耐暑性

とても強い。

耐寒性

やや弱く(-5~-10℃)、寒地では室内へ。

【補足】高温にあわせない。

解説

  1. 美女の例えとして「芙蓉の顔(かんばせ)」という表現があることからわかるように、とても優美な花を咲かせる。ただし一日花で、夕方にはしぼむ。
  2. フヨウは、暖地では古くから庭木として植えられてきた、なじみ深い植物である。従来は桃花種と白花種しかなかったが、最近、アメリカフヨウなどとの交配により、少しずつ花色に幅が出ている。
  3. スイフヨウは、フヨウの八重咲き品種である。咲き始めは白い花が、時間の経過とともに桃色を帯び、夕方には紅色に変化する。気温が低いと、桃色の状態のまま、翌日になっても咲いていることがある。なお、普通のフヨウにも、スイフヨウほど劇的でないものの、同様の花色の変化がみられる。
  4. スイフヨウは、普通のフヨウより耐寒性が弱く、暖地でも冬は傷む。地上部が枯れ込むようなら、地際近くで剪定し、盛り土や敷き藁などで保護する。鉢植えなら室内に置けば安全。加温の必要はない。
  5. 九州西部~沖縄に自生するサキシマフヨウも同じ仲間である。こちらは花期が遅く、9~12月頃に、かすかに桃色を帯びた一重の白花を咲かせる。スイフヨウより、さらに寒さに弱い。
  6. 通常、八重咲きの花にはタネができないが、気温が低くなると一重~半八重の花が咲き出し、タネができるようになる。

注意点・病害虫

  1. 砂質の土を好む。
  2. こぼれダネで勝手に殖えることがある。
  3. この仲間は、よく、フタトガリコヤガの幼虫に葉をかじられるので、殺虫剤で駆除する。この虫は、必ず葉の表におり、緑色の体に黒と黄色の模様が入るので、見つけやすい。(ただし、若齢幼虫は全身緑色。)体に毛が生えているが、毒ケムシではない。
  4. その他、ハマキムシが葉の縁を巻いて巣を作ることがあるので、巣の中に殺虫剤を染み込ませるか、手で巣ごとつぶすなどして駆除する。鉢植えなら、オルトランも有効。

(※データ:大阪市基準)